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なおこ心理相談室BLOG 〜札幌近郊カウンセリングルーム〜

女性のアスペルガー障がい

皆様、こんばんは。

札幌市近郊恵庭市のカウンセリングルーム「なおこ心理相談室」の足立直子です。

恵庭はなかなか暖かくなりません。
冷たい風が吹いています。
皆様、体調を崩されていませんでしょうか。

今日は女性のアスペルガー障がいについて、皆様と考えてみたいと思います。
一言でアスペルガー障がいと言っても、個人差が大きい現状です。
一人ひとりの個人差ももちろんありますが、女性と男性で少々症状の現れ方が違うのではないか、という見解もあります。
まだ研究途中の見解ですが、女性の脳は共感を、男性の脳はシステム化を求める傾向があるためだとの見解です。
共感とは、言葉通り、人の考えや気持ちに対する共感のことで、
システム化とは、物事を分析したり、構成したりすることを指しています。
ざっくり言うと、女性はより文系の傾向があり、男性は理系の傾向がある、とも考えられます。
このような違いもあり、同じアスペルガー障がいでも女性と男性では、その症状の出方が少し違ってきます。
その違いを考えてみましょう。

障がいが発覚する年齢が違う

男性の場合、アスペルガー障がいであるという診断がより幼い段階で分かることが多いとされています。
男性は幼稚園年齢または小学校低学年年齢で、対人関係がもてないなどと、その症状が強く現れがちです。
それに比べて女性の場合、多くは小学校中学年以降、10代に発覚することが多いとされています。
女性の場合、男性よりも、対人場面をうまくやりぬくことが出来るために、発覚するのが遅れがちです。
そもそも診断基準が出来たのが、男児の症状を基礎に作られたものなので、女児の症状と違いが生じているという見解もあります。

体調不良があらわれやすい

女性のアスペルガー障がいでは、原因不明の発熱、睡眠障がい、吐き気、腹痛、便秘、ひどい疲労感など、体調不良が現れやすい、という特徴が示唆されています。
原因は研究途中ですが、神経系の機能不全が起こりやすく、自律神経の働きがうまく調節できないこと、などが考えられています。
ひどい体調不良には、時として適切な薬物療法が功を奏します。
薬物療法と同時に、アスペルガー障がいのことを理解し、その特性を知ることで、生活面で工夫することが必要になります。
朝、倦怠感がひどくても、身体を起こして、睡眠時間を調整する、
疲れを感じにくい場合には、2~3時間おきに休み時間を設けるなどと体調を整えられるように工夫することで、
体調不良が改善していきます。

自分の身体の成長に戸惑い、思春期の変化を受け入れられない

身体がふくよかになってきたり、月経が始まるなど、中学生年齢になると、身体が大きく変化してきます。
女性のアスペルガー障がいの場合は、その特性の中で、同一性を求める傾向が知られています。
同一性を求める、とは、‘いつも同じ状態を保っていたい’という気持ちのことを言います。
同一性をもとめるために、体重の変化や体型の変化、体調の変化についていくことが出来ないのです。
時には、摂食障がいにつながっていく症例もあります。
アスペルガー障がいでない摂食障害との判明は、時期を待たないといけないかもしれませんが、
診断されたら、思春期の身体や気持ちの変化について本などで調べる、家族と悩みを共有するなどの対策が必要になってくるでしょう。

対策の基本は何と言っても、自分がアスペルガー障がいだと知ることと、
アスペルガー障がいの特性を理解することです。
最近では、当事者の方向けの指南書も出ていますね。
そういう本を家族で読み、自分の症状の理解と、家族からの協力とで、ずいぶん暮らし方が変わってくると思います。
また当事者の方の自伝も参考になるでしょう。
当事者の方にしかわからないような感覚を共有できるかもしれません。

 

全ての人が安心して成長できる社会でありますように。

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