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なおこ心理相談室BLOG 〜札幌近郊カウンセリングルーム〜

場の構造化で多動が和らいだ事例

札幌市・恵庭市・千歳市・苫小牧市・北広島市・江別市の公認心理師/臨床心理士によるカウンセリングルーム「なおこ心理相談室」の足立直子です。

今日の恵庭は雨降りです。
今、私は母の病気が判明した後、祖母(97歳)の様子を見に、一日に一度祖母宅へ通っています。
(それまでは母が毎日通っていました)
幸い近所なので、徒歩でも行けるのですが、いつもは車で行っております。
今日は父が車を使う日だったため、徒歩で向かったのですが、帰り際に雨が降り出してしまいました。
ついていないなぁ、とため息をつきながらの帰宅でした。

今日は場を構造化することで多動が和らいだ事例を皆様にご紹介したいと思います。
(事例掲載はご本人・親御さんの承諾を得ております。プライバシー保護のため、事例は加工してあります)

場の構造化というのは、特に自閉スペクトラム症の治療教育の中で重視されてきた方法で、アメリカ発祥のTEACCH(ティーチ)プログラムが日本で紹介されたことをきっかけに、その導入と実践が学校/医療/福祉現場で積極的に行われるようになりました。
場の構造化というのは、具体的には「環境」や「活動」を「視覚的に」示すもの、ということもできます。

例えば一般の子ども部屋は、ぬいぐるみが置いてあったり、オモチャが置いてあったり、机の上には勉強道具が置いてあることが多いでしょう。
子ども部屋といえばカラフルで物に満ちたイメージが浮かぶかもしれません。
しかしそれでは自閉スペクトラム症の子どもたち、ADHDの子どもたちにとっては、せっかくの自分の部屋が「いろんなものに目が移ってしまい、落ち着かない場」になってしまうのです。
そこで、ぬいぐるみ、オモチャを一つの箱に入れ、その箱にぬいぐるみやオモチャの写真を貼っておきます。
勉強道具も引き出しにしまい、その引き出しに勉強道具の中身の写真を貼っておきます。
そうすることで、色んなものに目が移ろいゆくことなく、その部屋はその子にとって落ち着ける、認識できやすい場となり得ます。
このような構造化のメリットには以下のようなものがあります。
1)教育/医療/福祉を受ける側の方々が理解しやすい、不必要な混乱をしなくて済む
2)効率的に学習するのを助ける
3)安心して自信をもって学習、生活できる
4)必要な情報に注意を集中しやすくなる
5)自立して生活しやすくなる

今日の主人公はそんな構造化によって落ち着きを取り戻せた一人です。

その子は、とてもアクティブな子でした。
カウンセラーがプレイルームに案内すると、「あー!あそこ見て!」「わー!オモチャがいっぱいあるよ!」などと矢継ぎ早に話しかけてきます。
そしてあっという間にプレイルームのオモチャをほぼすべて引っ張り出してしまいました。
そうすると、その子はもっとハイテンションになり、「わー!わー!」と走り回り、オモチャを踏んずけてしまい「痛いよ~!」と大きな声で言いました。
カウンセラーは一通りこの様子をみて、この子には場の構造化が必要だ!と閃きました。
そして「ごめんね、今日のお部屋だったら、落ち着いて遊べなかったね。今度来るときには、落ち着いたお部屋にしておくからね」と約束しました。
カウンセラーは次のセッションまでにオモチャを片付け、箱にしまい、箱に番号をつけ、そのオモチャの写真をとり、写真をアルバムに入れ、同じように番号をふりました。
そうすることで、その子がアルバムを見て、出してほしいオモチャを選択できるようにしたのです。

次のセッションでは、その子は、最初は「あれ、オモチャは?」と首をかしげながらも、カウンセラーが写真の入ったアルバムを出すと、さっそく「6番出してください!」とその方法に乗ってきてくれました。
そうすると、出してきたオモチャで落ち着いて集中して遊ぶことが出来ました!
遊び終わったら、お片付けをして、次のオモチャを出すようにしました。
この工夫により、プレイルームがその子の安心できる場となったのです。
集中して遊ぶことが出来るようになり、その子は自分の心の中を遊びを通して表現することができるようになりました。

親御さんにお話を聞いてみると、その子の部屋は雑然としており、その子は常にパニック状態だと言います。
カウンセラーは親御さんにも場の構造化について伝え、家でも取り組んでもらうことにしました。
すると家でもその子は落ち着いて生活できるようになったのです。

この様な工夫は障害を抱えた子ども/大人と関わる上ではとても重要なポイントになります。
せっかくプレイルームで自分の気持ちを表現して気持ちをスッキリさせようとしたとしても、お部屋が整って、その子が理解できる場でないと安心して遊ぶこともできません。
ですので場の構造化は、プレイセラピーを行えるようにするための土台作りと考えてよいかと思います。

皆様の中にも、この場の構造化で、苦手だったお片付けが出来るようになる人がいるかもしれません。
発達障害をもつ子ども/大人たちが、安心して過ごせる場が広がることを願って。

ご予約

なおこ心理相談室
公認心理師/臨床心理士 足立直子

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