20May
札幌市・恵庭市・千歳市・苫小牧市・北広島市・江別市の公認心理師/臨床心理士によるカウンセリングルーム「なおこ心理相談室」の足立直子です。
最近の恵庭はひんやりと肌寒い日が多いです。
気温が上がったり下がったり、体調管理が難しい日が続いていますが、
皆様お元気でしょうか?
今日は非定型うつ病(新型うつ病)について皆様と見ていきたいと思います。
非定型うつ病とはこれまでのメランコリー型うつ病と異なり、
落ち込むだけでなく、イライラしたり不安になったりします。
これまでのうつ病では、気分は沈んだままでしたが、
非定型うつ病の場合は、嬉しいことがあったら元気になります。
その一方で死にたくなるくらいつらくなったり、
傷つきやすかったりする一面があります。
非定型うつ病は20代~30代の若い女性に多い傾向があります。
昔は「神経症型うつ病」と言われたのが、今の非定型うつ病に当てはまります。
では、従来のうつ病と非定型うつ病の違いをみてみましょう。
先ほども触れたように従来のうつ病では好きな事にもやる気が起こらず、
終始元気が出ない、今までの趣味も楽しめないのに対し、
非定型うつ病の場合は、好きな事には元気が出る、趣味は楽しめる
ことが特徴です。すなわち出来事に反応して気分が変わる
「気分の反応性」がみられるのです。
また従来のうつ病では朝方に調子が悪く、「モーニング・デプレッション」
と呼ばれるのに対し、非定型うつ病の場合は、夕方から夜に具合が悪く
なることが知られています。
睡眠は従来のうつ病では、寝つきが悪く、中途覚醒、早朝覚醒がみられ、
一般的に「不眠」になるのに対し、非定型うつ病の場合は、いくら寝て
も眠たい「過眠」傾向がみられます。
食欲では、従来のうつ病では、食欲が落ち、体重が減るのが一般的でした
が、非定型うつ病の場合は、過食傾向で体重は増える場合が多いのが
特徴です。
集中力に関しては、従来のうつ病では、頭の回転がにぶるのに対し、
非定型うつ病の場合は、イライラして落ち着かない傾向がみられます。
従来のうつ病では、とにかく休養が大事でしたが、非定型うつ病の場合は、
日中目的をもって行動する、可能であれば仕事に出る、規則正しい生活リズム
を心がけることが必要になってきます。
このように見ていくと、非定型うつ病は「甘え」だととらえる方もいるかもしれません。
しかし、決して「甘え」ではなく、脳内物質も関係していると考えられます。
もともと他人の顔色をうかがい、不安が強い人が多く、育った環境も関係しています。
他人からの「拒絶」に敏感で、傷つきやすい傾向もみられます。
非定型うつ病がより多くの人に理解され、誤解されずに、患者さんが療養しやすい世の中になりますように。
→ご予約
なおこ心理相談室
公認心理師/臨床心理士 足立直子
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