29Nov
札幌市・恵庭市・千歳市・苫小牧市・北広島市・江別市の公認心理師/臨床心理士によるカウンセリングルーム「なおこ心理相談室」の足立直子です。
今回のクライエントさんは、40代の夫婦です。
最初は当相談室に奥様だけが相談にみえられました。
夫と話をしなくなって数カ月が経ち、どうしていいか分からなくなっているというご相談でした。
(事例は個人が特定されないよう、加工してあります。事例掲載はご本人の承諾を得ております)
食事は別々にとり、休日も奥様が家にいると、ご主人は外に出かけていきます。
このように話をしなくなったのは、ご主人への浮気疑惑があったためです。
ご主人の携帯電話に知らない女性から着信が数回あり、不思議に思った奥様が「見てはいけない」と思いながらも、携帯電話を見て、浮気疑惑が発生しました。
ご主人は「仕事関係の人だ」と言って、浮気を認めることはありませんでした。
そんなことがあってから夫婦の間で会話がなくなったのです。
カウンセラーはこの相談を受けて、「当相談室で夫婦で話し合ってみるのはいかがでしょうか」と提案しました。
相談室という特別な場だからこそ話せることがあると思っての提案でした。
奥様は考慮した結果、夫と当相談室で話し合うことに決めました。
ご主人は案外すんなりと、当相談室で話し合うことに同意されました。
ご主人としても、夫婦間がこの関係ではまずいと思っておられたのかもしれません。
ご夫婦での話し合いの当日、カウンセラーはまずご主人に来訪してくださったことを労いました。
ご主人は話下手で、無口で、どこか頑固そうな雰囲気のある方でした。
カウンセラーが今回来ていただいた理由を話し、夫婦のセッションが始まりました。
奥様はご主人の浮気疑惑が発生してから、1カ月はショックで食欲がなくなり、5キロも痩せた、と訴えました。
夜も眠れず、心療内科に通っている、と悲しげに話しました。
そしてご主人は、その女性は本当は仕事関係の人ではなく、玄人の女性であることを認めました。
それはほんの一時の気の迷いで、奥様にバレた時から一度も連絡をとっていない、とのことでした。
奥様はそれを聞き、「本当のことを言ってくれてありがとう。私を大事に扱ってくれていないように感じたことが辛かった。もう二度とこんなことはしないでね」と、ご主人に伝え、お互いの心のわだかまりが解消しました。
奥様は嬉しそうに微笑み、「ありがとう。私も口をきかなかった数カ月はとても辛かった。もう元の関係にもどりましょう」とご主人を許しました。
相談室はこうしてご夫婦、ご家族の話し合いの場として利用できる一面があります。
普段の生活の中では言えないことでも、特別な場だからこそ言えることがあります。
関係がこじれてしまって、当人同士では修復しにくくなった時に、相談室をこうして利用していただくのも一法です。
このご夫婦が仲良く信頼し合って暮らしていることを祈って。
→ご予約
なおこ心理相談室
公認心理師/臨床心理士 足立直子
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