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なおこ心理相談室BLOG 〜札幌近郊カウンセリングルーム〜

母親のみの来談で不登校から回復した事例

札幌市・恵庭市・千歳市・苫小牧市・北広島市・江別市の公認心理師/臨床心理士によるカウンセリングルーム「なおこ心理相談室」の足立直子です。

最近は気温が高くなって、一気に雪が解けましたね。
そろそろ福寿草が咲くころでしょうか。
花が一気に開花する5月のGWが待ち遠しいです。
今回の写真は当相談室の玄関に飾っている花です。
来室される皆様、どうぞご鑑賞ください。

今回はお母様のみの来談で、子どもが不登校から回復した事例を皆様と共有したいと思います。
(事例は個人が特定されないように加工してあります。事例掲載はご本人の許可を得ています)

その高校生の男の子は、幼い頃に父親から‘しつけ’という名の暴力を受けており、思春期に入った頃から家庭内暴力がみられるようになってきました。
父親は、息子の体格が良くなった頃から息子に恐怖を覚えるようになり、その頃には父から息子への暴力は治まっていました。
しかし父と息子が口論になった時には、息子が「また殴るのか⁉」と言い、父を威嚇する様子がみられ、子どもの頃に負った心の傷は計り知れないものと思われました。
母親は、以前から父が息子に暴力をふるうことに、深く心を痛めておりました。
息子は時に興奮して母に噛みつくことがみられ、母は「私は手が痛いけれど、この子は心が痛いんだ」と息子の心情を深く思いやっておられました。

息子は反抗期真っただ中で、カウンセリングを受けることを良しとしませんでした。
そのため母親のみの来室になりました。
母親は「本当はこうやって子育てがしたかった」と、父の暴力に彩られた育児を振り返り、ご自分の心情を語りました。
そしてこれからは息子の心を大事に育ててあげたいと深い決心を重ねていかれました。
息子は反抗期故に、特に父親に対して剥き出しの攻撃心をあらわにしていました。
父親は息子に暴力を振るわれることを恐れており、確かに父子の関係は一触即発の状態でした。
また息子は夜中に家を出ている形跡があったために、警察にも助けを求め、理解をしてもらいました。

母はカウンセリングの中で、息子の心に触れ、心を掴み、共感を深めていかれました。
息子はしばらくは昼夜逆転の生活を送っていましたが、自分のだらしない生活習慣に危機感を覚え、日中はずっとパソコンに向かい、勉強をする、などと生活を整えていきました。
母がとても共感的な人だったため、父親から暴力を受けていたとしても、息子は自分の力で回復するだけの力をもっていることが示されました。
そして1年の区切りがついた新学期、自ら登校することを決め、無事に再登校を果たしたのです。
約1年におよぶ不登校状態でしたが、息子さん、そしてご家族の心の作業は深められたと思われます。

思春期はその前の年齢で達成できなかった課題を乗り越えようと、さまざまな症状を出す時期でもあります。

また思春期のお子さんの場合、本人がカウンセリングを受けたくない、という場合があります。
そのような場合にはご家族の来談だけでもご本人の回復に寄与することが出来ます。

全ての思春期のお子さんとご家族が幸せに暮らせますように。

ご予約

なおこ心理相談室
公認心理師/臨床心理士 足立直子

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