8Sep
札幌市・恵庭市・千歳市・苫小牧市・北広島市・江別市の公認心理師/臨床心理士によるカウンセリングルーム「なおこ心理相談室」の足立直子です。
さて、今回はADHDの人が大人になったら…、もしくは、大人になってからADHDではないかと疑いを持ったり、診断されたら…そのようなことを想定して、皆様と考えてみたいと思います。
子どもの頃にADHDと診断されたお子さんでも、10歳くらいになると多動性が落ち着いてきて、大人になってもなにがしかの症状をもっている方は、70~80%と言われています。
大人になると、多動性は落ち着き、不注意が強く残る場合が多いと言われています。
子どもの頃にADHDと診断を受け、適切な対応を受けてきた人は大人になってからも社会に適応しやすいと思いますが、一昔前にはADHDという障がい自体が知られていなかったことによって、今、大人になってからADHDと診断がつく方が多くいらっしゃいます。
会社や家庭でうまくいかず、自尊心が傷つき、でも「何か自分は他の人と違うのでは…」と考え、精神科を受診して気が付く…、という訳です。
あまりにも自尊心の傷つきが深いと、うつ病などを併発してしまうこともあるので、注意が必要です。
大人のADHDの方が困る場面については、どんな場面があるでしょうか。
下記にしてみますね。
ご自分や、ご家族、部下など、心当たりがありますでしょうか。
○貧乏ゆすりなどの、目的のない動きが多い(多動性)
○会議などの時に、思ったことをすぐに発言してしまい、会議の進行に支障をきたす(衝動性)
○衝動買いをしてしまう(衝動性)
○ケアレスミスが多い(不注意)
○忘れ物、無くし物が多い(不注意)
○約束を忘れてしまう、約束に間に合わない(不注意)
○時間管理が苦手(不注意)
○仕事を順序だてて行うことが苦手・優先順位をつけるのが苦手(不注意)
○片づけ・掃除が苦手(不注意)
※上記のような行動は、必ずしもADHDが原因というものではありません。ただただ性格傾向であることもありますので、この症状があるからADHDだ、というものではないので、ご承知おきくださいね。
大人になったADHDの人がもつ特徴として以上のものがあります。
一見すると、性格傾向のようにも捉えられるので、判断が難しいのですが、ご自身や、周囲の方がお困りのようであれば、本人を責めるのではなく、医療機関を受診するのも一法です。
医療機関では、薬物療法もありますが、
やはり一番大切なことは、環境を変えることや、苦手なことに対する対策を専門家(医師や臨床心理士)と話し合い、生活に取り入れていくことです。
仕事でお困りの場合は、上司にも理解を得られると、よりお仕事がしやすくなるでしょう。
ご家庭では、パートナーに知ってもらうことで、より生活しやすくなるものと思います。
ご自分一人で、「自分はダメな人間だ…」と悩み、うつ病などを併発することは出来るだけ避けたいですね。
環境やご本人の能力次第では、思っていた以上の才能が開花することもあります。
では、次回は例を挙げて、いくつかの対応策をお伝えしたいと思います。
皆様の生活がより充実したものになりますように。
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公認心理師/臨床心理士
足立直子
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