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なおこ心理相談室BLOG 〜札幌近郊カウンセリングルーム〜

障害を周囲に伝えるタイミング~自閉スペクトラム症の場合

札幌市・恵庭市・千歳市・苫小牧市・北広島市・江別市の公認心理師/臨床心理士によるカウンセリングルーム「なおこ心理相談室」の足立直子です。

今日の恵庭は晴れています。
晴れていると家の中は暖まるのですが、そとはキンと冷えています。

さて、今日は、自閉症スペクトラム障がい(アスペルガー障がいを含む)をもつ人たちや、ご家族が、周囲の人に障がいを打ち明けるタイミングについて、皆様と考えてみたいと思います

障がいを打ち明けるタイミングや、誰に打ち明けるか…は、とてもデリケートなことで、年齢に応じても違ってくると思います。

例えば、まだ小学校中学年以下のお子さんの場合、お子さん自身に、主治医から告知されていない場合も多いかと思います

そのような場合は、家族が学校などに伝えることになると思いますが、「誰にどの程度伝えるか」は、とてもデリケートな問題になってきますね。

まず確実に伝えたいのは、担任の先生です。
担任の先生には、お子さんの障がい名だけでなく、得意・不得意や、どの様な場面が苦手か、どうやったら苦手を克服しやすいか…、など詳しくお伝えになるのが良いと思います。
そして、出来れば、通っている医療機関の主治医に、担任の先生が話を聞きに行ってもらえると、よりお子さんの状態を分かってもらいやすくなると思います

そこで重要なのが、担任の先生に「クラスの皆に伝えるのは、デリケートな問題なので、もう少し話し合ってからにしてもらいたい」など、クラスメートに伝えることについては、ご家族と先生が、より密に話し合ってからにして欲しい旨伝える必要があるか、と思います

担任の先生としては、悪気なく、クラスメートに伝えてしまい、クラスメートが障がいについて誤解してしまったり、まだお子さんに告知していないのに、それで知ってしまった、ということを避けるためです。

PTAなどの保護者さんたちにお伝えする時も、同様ですね。
そこらへんは慎重にされることをお勧めします。

お子さんに告知済みの場合は、お子さんの意見も聞いた上で、担任の先生に「何をどれだけ伝えるか」を、お子さんと充分に話し合うことをお勧めします
お子さんなりに、「このことは秘密にしたい」「このことは是非伝えて欲しい」というポイントがあるかと思いますので、オープンに話し合えたら良いですね。

もしお子さんが「担任の先生にも伝えないで欲しい」と言った場合は、何故伝えないで欲しいのか理由を聞いて、理由によっては、伝えた方が良いことになることもあります
また、担任の先生に伝えることでのメリットを、しっかりとお子さんに伝えたら、お子さんも「絶対秘密に…」という気持ちがほぐれる場合もあります。

どんな時にでも、お子さんの気持ちを大事にしたいものですね。

さて、では、大学生、社会人の場合はどうでしょうか?
大学生の場合は、大学や担当教員との交渉は保護者の方のお力添えが必要かと思いますが、友人関係については、保護者の出番は少なくなるかと思います。
社会人になれば尚更ですね。

大学生の場合は、まず本人がしっかりと告知を受けていて、自分の得意・不得意や、特徴を知っていると、友人にも伝えやすくなると思います。

そして大事なのが、「誰に伝えるか」です。
いきなり広く同じ学科の同期の人に伝えてしまうと、誤解をまねきかねません。
そこで、まずは「特別に親しい友人」だけに、「皆には、まだ言わないで欲しいのだけれど…」と前置きをして、伝えてみましょう
その時には、障がい名だけではなく、「コミュニケーションが苦手だから、誤解を受けることをしてしまうかもしれないし、今までもしてしまったかもしれない」「○○は苦手だけれど、□□することで克服できる」など、より細やかにお伝えすることをお勧めします。
そのようにしながら、ゆっくりと、親友→友達→同じ研究室の仲間…と広げていく方が、誤解が少なくて済むのではないでしょうか?

社会人の場合は、仕事が関わってくるので、よりデリケートな問題になりますね。
大学生のように、同僚にあからさまにご自分の障がい名を言うことは、避けた方がいいかもしれません(長年の付き合いで、信頼できる人は別として)。
ただし、直属の上司には、伝えておく方が良い場合が多いと思います
やはり、仕事の面で上手くいかない場合に、上司が「障がいのため」と分かって、また克服する方法を知っているかいないかで、職場でのご本人の立場が大きく変わってくると思うからです
伝えていないと、下手をすると「やる気がない」「ふざけている」などと誤解を受けてしまうことがあるからです
そして、主治医の診察の時に、上司も一緒に付き添ってもらい、主治医から説明を受けることも一法と思います

この様に、周囲の人たちに障がいについて伝えるタイミングは、年齢に応じて違ってきますが、周囲の人たちが誤解せず、味方になり、サポーターになってくれる可能性を考えると、大切なポイントですね。

障がいをお持ちの皆様が、誤解なく、社会で活躍できることを心よりお祈り申し上げます

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なおこ心理相談室
公認心理師/臨床心理士 足立直子

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