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なおこ心理相談室BLOG 〜札幌近郊カウンセリングルーム〜

アイデンティティあれこれ

札幌市・恵庭市・千歳市・苫小牧市・北広島市・江別市の公認心理師/臨床心理士によるカウンセリングルーム「なおこ心理相談室」の足立直子です。

九州地方に台風が上陸している模様ですね。
テレビで見ていると、ひどい風と雨が襲ってきていますね。
九州地方の皆様、どうぞ安全第一に避難所なども利用してくださいね。
大きな災害になりませんよう、お祈り申し上げます。

さて、皆様、アイデンティティという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
アイデンティティとは日本語訳にすると‘自己同一性’となります。
例えば昨日の自分と、明日の自分、そして10年後の自分、時間や環境が変わっても、`自分’という存在が変わることはない、という感覚のことです。
このアイデンティティは青年期に確立されると言われています。
青年期というと日本では大学生年齢ですね。
この時期、就職など外の世界への一歩を踏み出すにあたり、自分自身について振り返ることが多くなると思います。
この大学生年齢は‘心理社会的モラトリアム’といい、社会的な義務や責任を猶予されている準備期間になります。
そしてこのアイデンティティの確立がうまくいかないと、「自分が何者なのか、何をしたいのか分からない」という‘同一性拡散’の状態になる、と言われています。
対人的かかわりの失調(対人不安)、否定的同一性の選択(非行)、選択の回避と麻痺(アパシー)などがその症状として知られています。

私自身は大学生時代、このアイデンティティについて大いに悩みました。
はじめから「臨床心理士になりたい!」と思って、大学に入学したのですが、その学部は障害児教育教員養成課程(現:特別支援教育教員養成課程)でした。
そのため小学校の先生になるための講義、養護学校・聾学校の先生になるための講義がたくさんありました。
その中で、私の中で将来の夢として「学校の先生」というものも浮かび上がってきたのです。
教員採用試験対策の本を買ってきて、読んでみたこともありました。
しかし取り合えず3回生と4回生の時にある教育実習を体験してみてから決めよう、と思っていました。
そして教育実習をしたところ、「私の将来の夢はやっぱり臨床心理士だ!」と確信したのです。

そう決めたら、大学院の入試に向けて勉強を開始しました。
心理学科ではないので、系統立った講義を受けていないので、分厚い‘心理臨床大事典’を片手に心理学の歴史から始め、片っ端から記憶していきました。
あの時は頭がパンパンになり、肩は凝るし、目の奥は痛くなるし、頭痛もする…というまさにいっぱいいっぱいの状況でした。
でも心は充実感にあふれていました。
自分の夢に関して悩むことは、その悩み自体に価値があると、私は思っています。
しっかり悩み、自分は何をしたくて、どういう人間になりたいのか、ということを自分自身に問うて、ひとまずの答えに辿り着けたら、気持ちはとても安定します。
その悩みのプロセスで、心の容器はぐっと大きく成長するように思っています。

「ハチミツとクローバー」(羽海野チカ作)という漫画がありますね。
美大の学生たちが夢に向かって進んでいく名作だと思います。
この作品の中ではまさにこのアイデンティティの確立が描かれているように思います。
お時間のある時にぜひ読んでみてくださいね。

では、まだまだ残暑厳しいです。
皆様、熱中症にはどうぞお気を付けてくださいね。
台風の被害が少しでも少なくなりますように。

ご予約

なおこ心理相談室
公認心理師/臨床心理士 足立直子

 

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