12Jul
札幌市・恵庭市・千歳市・苫小牧市・北広島市・江別市の公認心理師/臨床心理士によるカウンセリングルーム「なおこ心理相談室」の足立直子です。
今日の恵庭は久しぶりの晴れでした☼
気持ちの良い青空、北海道の夏といった感じでした。
さて、皆様は学習性無力感という言葉をご存知でしょうか?
学習性無力感とはマーティン・セリグマンという人が提唱した概念です。
「何をしても意味がない」と思い込んでしまうと、たとえそれが苦しい状況であったとしても、逃れようとする努力すら行わなくなる、という意味です。
これは子どもを対象に考えると、虐待や、勉強が苦手な子に叱責を与え続けることなどの時に起こりやすいと思われます。
虐待経験では、母の機嫌をとっても、子どもが自分で何をしても、マイナスな反応しか返ってきません。
そういう状況下では、子どもはその環境から積極的に逃げることを放棄してしまいます。
そして複雑性PTSDのような状態に陥っていくのです。
虐待ほど強烈なものではありませんが、勉強が苦手な子に叱責を与え続けることも、学習性無力感に繋がることです。
その子は頑張って勉強したとしても、テストの点数が上がらなく、子どもはそれでしょげているのに、更に親が叱責をくわえると、子どもは勉強をする意欲をなくしてしまいます。
大人では、仕事について上司に叱責され続けることが挙げられます。
一生懸命仕事をしているのに、ついミスをしてしまう、ADHDのような傾向のある人はリスクが高くなるかもしれません。
部下が学習性無力感を抱かないために、上司は叱責するだけでなく、時に褒めることが非常に大事になってくるでしょう。
では、学習性無力感から抜け出すにはどうしたらよいでしょうか?
本人に出来る工夫は、「認知を変える」ということです。
学習性無力感の人は、「出来ないのは能力不足だ」「自分には才能がない」と思い込んでいます。
つまり結果は自分ではコントロールできない、と思い込んでいるのです。
この思い込みを変えることが大事です。
「結果は自分でコントロールできるんだ!」と考え直し、
自分の努力次第で、結果はどうにかなるものだ、と思い直すのです。
このプロセスは、認知行動療法が役立つものと思われます。また周囲の人が出来ることもあります。
それは、部下や子どもに「小さな達成経験」を用意し、こまめに承認をして、よいところを褒めてみてください。
このようにスモールステップを準備して、回数を多く褒めてあげることで、
部下や子どもたちは、学習性無力感から逃れることが出来るようになるでしょう。
以上が学習性無力感についてのヒントです。
全ての人が自分の力を充分に出せる社会になりますように。
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