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なおこ心理相談室BLOG 〜札幌近郊カウンセリングルーム〜

心理検査が家族の結束のきっかけになった例

札幌市・恵庭市・千歳市・苫小牧市・北広島市・江別市の公認心理師/臨床心理士によるカウンセリングルーム「なおこ心理相談室」の足立直子です。

暑い暑いと言っていたのもつかの間、風が吹いて、すっかり涼しくなりましたね。
北海道の夏は短いですね。
皆様、今年の夏は熱中症など大丈夫でしょうか。
急に気温が下がり、風邪など引きやすいかもしれません。
どうぞお気をつけくださいね。

今日はお母さんの気持ちが理解されたことで、家族が再出発した例を皆様と共有したいと思います。
(個人が特定されないように、加工してあります。事例掲載はご本人の了承を得ております。)

そのお母さんは中学生の息子2人を育てていました。
はたから見ると幸せそうな家族ですが、その息子は大病を患っており、今なお経過観察中でした。
もしかしたら再発するかもしれない…という不安の中で毎日は過ぎていきました。
元気な時は運動も得意で、活躍する運動会も、いつもの活躍は出来ず、本人もしゅんとしていました。
そんな息子をみて、お母さんは胸を痛めていました。

また定期的に通院する必要があり、検査では身体に大変侵襲的な検査もありました。
お母さんはその検査を受ける息子をみるたびに憂鬱になっていました。

息子の治療は、お母さんが当相談室に来談されたときには通院治療になっていましたが、
その前には長期に及ぶ入院治療がありました。
お母さんは毎日病院に付き添い、夜は病院の硬い補助ベッドで寝ていました。
そしてお母さんだけでなく、お父さんも協力してくれていました。
お父さんは家に残っている下の息子の世話をしてくれ、息子を支えるお母さんを支えてくれていました。
家族は一丸となり病気と闘っていました。

無事退院し、学校にも登校できるようになったのですが、
やはり身体の調子がイマイチで、しんどい日も多くありました。
休ませた方がいいかな、どんな言葉かけをしたらいいだろう…とお母さんは悩みの中にいました。

そんな時にお母さんは当相談室に来談しました。
ことの経緯を説明してくれているお母さんをみて、カウンセラーはお母さんとお父さんの少しの気持ちのすれ違いが気になりました。
お母さんは自分の気持ちを客観的に知りたいと希望され、ロールシャッハ・テストを施行しました。
カウンセラーはその結果報告の際に、お父さんも同席することを提案しました。
そして結果報告当日、お父さんも来談され、ロールシャッハ・テストの結果を3人(お父さん、お母さん、カウンセラー)でみてみました。
するとお母さんは涙を流しながら、身体に侵襲的な検査を見ていることがとても辛いこと、その検査の日にお父さんに病院に同行してもらいたいことを話しました。
お父さんはまさかそんなところでお母さんが苦しんでいるとは気が付かなかったようで、
「仕事はいつでも休みがとれるから、同行する」と言ってくれました。

カウンセラーは、お母さんはきっとロールシャッハ・テストの結果を聞く前には、
自分が息子の検査を見ていることが辛いことに気が付いていなかったのではないか、と思いました。
ロールシャッハ・テストで自分の気持ちを客観的にみて、そしてその辛さに気が付いたのではないか、と推測します。
ロールシャッハ・テストなど心理検査にはこのような効用があります。
自分でも気が付いていなかった自分の気持ちに、気が付けるようになるのです。

この家族はお母さんの辛い気持ちをお父さんが知ることで、家族がまた一丸となって、病気と闘う姿勢を取り戻したのではないか、と思います。

つらい道のりを歩いている時、ふと気が付くと、夫婦足並みが揃っていないと気が付くことがあるかもしれません。
その様な時にはカウンセリングルームを訪れてみるのも一法かもしれませんね。
その様な時にお役に立てるように、心理検査そしてカウンセリングの研究を日々進めていきたいと思います。

→ご予約

なおこ心理相談室
公認心理師/臨床心理士 足立直子

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