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なおこ心理相談室BLOG 〜札幌近郊カウンセリングルーム〜

子ども心と親心@事例

札幌市・恵庭市・千歳市・苫小牧市・北広島市・江別市の公認心理師/臨床心理士によるカウンセリングルーム「なおこ心理相談室」の足立直子です。

今日は親子の心模様を事例を通して皆様とみてみたいと思います。
(個人情報が特定されないように、加工してあります。事例掲載はご本人の了承を得ております。)

このケースはお母さんがクライエントです。
お母さんは子どもが部活でうまくいっておらず、学校も休みがちになっていることを心配していました。
中学生のその子はバスケットボール部に所属していました。
小学校の頃はミニバスに所属し、中学校でもバスケットボールを続けていたのです。
最初は楽しかったバスケットボールですが、友人関係が複雑で、ふと気づくといじめられるポジションになっていました。
いじめは激しいものではありませんでしたが、精神的にダメージの大きいいじめでした。
お母さんも心を痛め、子どもの顔色が悪いと、学校を休ませたりしていました。

子どもはバスケットボール部を辞めたい、と言うようになりました。
辞めることは簡単にできますが、お母さんはきちんと友達に辞めることを自分の口で伝えてほしい、と希望していました。
自分の口で伝えることは、その子には大きな負担になり、辞めようかどうしようか迷う日々を過ごしました。
カウンセリングでは、ややもするとお母さんの気持ちが優先になってしまう可能性があるため、お母さんには子どもがどう思っているかをしっかり聞くように助言しました。

お母さんは子どもが自分の口で伝えられるように、友達を家に呼んだりと、作戦を立てていました。
子どもは悩みに悩んでいましたが、学校ではバスケットボール部以外の友達ができ始めていました。
そして卓球をやってみたい、と新たな気持ちが育っていきました。
その様にして友達が出来、自信がついたその子どもは、自分の口でバスケットボール部を辞めるということを伝えることが出来ました。
少々お母さんが出すぎたような感はありましたが、子どもも言えたことで自信をつけた様子でした。

一区切りついて、お母さんは、自分自身もバスケットボール部のお母さん同士の人間関係がなくなることが不安だった、と自分の気持ちを振り返りました。
息子がバスケットボール部をやめてしばらくは心にぽっかり穴があいたように感じていましたが、徐々に癒えている、とのことでした。

このように母の気持ちと息子の気持ちが時に複雑にからみあい、何が誰の気持ちか分からなくなる時があります。
それは母の深い愛ゆえなのですが、子どもにとっては負担になることも多いことも事実です。
その様な時は母は「隣(とな)る人」となって、子どもの横について、時には一歩後ろで見守ってあげてほしいと思います。
そのようなちょうどよい対人距離の取り方は、身近な人の場合は特に取りにくいことがあります。
そんな時、カウンセリングで、自分のことを振り返ったり、カウンセリングを心の支えとして自分自身がしっかり立つことを心がけたりすることは有効だと思います。

親子がちょうどよい関係を保てるように、私も日々カウンセリングの研究を進めていきたいと思います。

→ご予約

なおこ心理相談室
公認心理師/臨床心理士 足立直子

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