札幌市近郊恵庭市の公認心理師／臨床心理士によるカウンセリングルームです。 対象地域：札幌市・千歳市・恵庭市・北広島市・江別市・苫小牧市

札幌市・恵庭市・千歳市・苫小牧市・北広島市・江別市の公認心理師/臨床心理士によるカウンセリングルーム「なおこ心理相談室」の足立直子です。

今日の恵庭は雨模様です。
昨日はとても暖かく日が差して、ガーデニング日和でした。
これからそんな日が増えてくるのでしょうね。

新型コロナウィルスについて政府による緊急事態宣言が発令されましたね。
当相談室も4/19から5/6まで休室することになり、皆様にご迷惑をおかけしております。
少しでも感染拡大を防止できたら、と思っております。
緊急事態宣言が5/6で解除されましたら、また5/6から開室させていただきますが、
緊急事態宣言が長引く場合、休室も長引く場合がございます。
皆様、どうぞご協力お願いいたします。

今回はこの新型コロナウィルスに対する心の症状・対策について、皆様と考えていきたいと思います。
当相談室でも、新型コロナウィルスの影響で、在宅勤務を余儀なくされた人や、
感染の不安で、もともともっていた症状が一時的に悪化しておられる人が見受けられます。
新型コロナウィルス感染症に対して世界中で様々な対策がとられていますが、
まだ充分な治療や検査体制が整っていない現状です。
そのような状況下では、この問題は災害の一つと捉えられ、テロや戦争、自然災害と同様に心の問題を引き起こすと考えられます。

＜様々な心の問題＞
感染の拡大は、人の心に不安や恐怖、強い怒り、興奮、不眠など様々な気持ちを生じさせることがあります。
さらに今、隔離や自宅待機などの感染対策がとられています。
この様に行動の自由を制限されると‘拘禁反応’と呼ばれる心の状態になりやすくなります。
‘拘禁反応’とは、喜怒哀楽の感情が失われたり、強い不安を感じたり、周りの状況が他人事のように感じられたり、自分がいじめられ疎外されている気持ちなどを指します。
これらの反応は決して特別なものではなく、この状況ではだれにも起こり得る自然な心理反応なのです。
そのため、一人暮らしの方などは、ZOOMなどを使って遠隔で親しい人と励まし合ったり、
テレビで雄大な自然の映像を鑑賞したり、
家でもやれるストレッチなどで身体を軽く動かしたりすることで、心をリラックスさせてみましょう。
それでも症状が和らがない場合には、気兼ねなく心の専門家（臨床心理士、公認心理師・精神科医）に相談してみましょう。

＜健康を保つ生活を＞
心と体の健康を保つため、遠隔で親しい人と話したり、互いに労ったり、励まし合ったりすることはとても有効です。
自分は孤独ではないいということを体感できる工夫が必要です。
またずっと家にいないといけない状況下では、生活リズムが崩れがちになります。
睡眠時間や食事の時間は、以前のとおりに規則正しくすることが大事になってきます。
運動量も減りがちになります。
YOUTUBEなどを観ながら、軽いダンス・ヨガなどで身体を動かしたり、
身体を動かせるテレビゲームなどをしてみるのもよいかもしれません。
また絵を描いたり、歌を歌ったりして、自分の心を表現してみることも、ストレスを下げることにつながるでしょう。
子どもであれば、遊びの中で、新型コロナウィルスについての表現が出てくるかもしれません。
その時には、大人はそっと子どもの遊びを見守ってあげましょう。

＜正しい情報を適切な量で＞
インターネットなどでは、正しい情報だけでなく、‘デマ’もたくさん流布されています。
曖昧な状況で人々の不安が高い場合に、性格ではない情報が世間に広がりやすくなります。
不確かな情報に左右されないためには、情報源が明らかな、正しい情報を得ることが必要です。
情報源を確かめ、政府、自治体、研究機関、全国紙などで紹介されている適切な相談窓口を探すことが大切です。
また今の時期はどのテレビ番組をみても、新型コロナウィルスに関連することがやっています。
情報量が多すぎても、心の不安が増してしまうので、意識的に違う番組を観ることも必要でしょう。

＜虐待、DVが深刻化する傾向に＞
このように行動制限が求められる中では、家庭内の問題が深刻化する傾向にあります。
虐待やDVが起こりやすい状況であると言えるでしょう。
そのため親御さんが意識的にご自身のケアをすることは、とても大事なことです。
自分のことを大切にすることは、子どもを守ることに繋がります。
自分でアロマオイルでマッサージをしてみたり、軽く運動をしてみたり、大切な人と遠隔で話したりすることも有効だと思います。

皆で、この危機を乗り越えていけたら、と思っています。