札幌市近郊恵庭市の公認心理師／臨床心理士によるカウンセリングルームです。 対象地域：札幌市・千歳市・恵庭市・北広島市・江別市・苫小牧市

苫小牧、千歳、恵庭、北広島、新札幌、札幌、その他の地域でカウンセリング、心理検査を提供している「なおこ心理相談室」の公認心理師/臨床心理士の足立直子です。

こちら恵庭もクロッカスが咲き、春の訪れを感じています。
函館では桜の開花が発表されました。
皆様はいかがお過ごしでしょうか？

またまたお久しぶりの投稿で失礼いたします。
「難病カフェ♡つなぐ」の活動は、細々とではありますが、
温かい雰囲気に包まれながら続いております。
まだメンバーさん募集中ですので、
興味がおありの方はどうぞお問い合わせください。

さて、今回は何回かに分けてシリーズ化して投稿したいと思います。
テーマは「HSPと発達障がい」です。

HSPは正式な診断名ではありません。
エイレン・Ｎ・アーロンという人が提唱している概念です。
この特性は全人口の15～20％に見られるとされています。
病気と呼ぶにはあまりに多すぎます。
アーロン博士も病気ではないと述べています。
HSPは生まれもったもので、
容易に物事に圧倒されがちで、
文化によっては受け入れられずに、2次的に低い自尊心をもちやすい
と言われています。

アーロン博士のHPにいくと、セルフテストが紹介されています。
以下がそのチェックボックスになっています。

1.感覚に強い刺激を受けると容易に圧倒されてしまう
2.自分をとりまく環境の微妙な変化によく気付くほうだ
3.他人の気分に左右される
4.痛みにとても敏感である
5.忙しい日々が続くと、ベッドや暗い部屋などプライバシーが守られ、刺激から逃れられる場所にひきこもりたくなる
6.カフェインに敏感に反応する
7.明るい光や、強いにおい、ざらざらした布地、サイレンの音などに圧倒されやすい
8.豊かな想像力をもち、空想に耽りやすい
9.騒音に悩まされやすい
10.美術や音楽に深く心動かされる
11.時々神経が擦り切れたように感じ、一人になりたくなる
12.とても良心的である
13.すぐにびっくりする
14.短期間にたくさんのことをしなければならない時、混乱してしまう
15.人が何かで不快な思いをしている時、どうすれば快適になるかすぐに気づく
16.一度にたくさんのことを頼まれるのが嫌だ
17.ミスをしたり物を忘れたりしないよういつも気を付けている
18.暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしている
19.あまりにもたくさんのことが自分の周りで起こっていると、不快になり神経が昂る
20.空腹になると、集中できないとか気分が悪くなるといった強い反応が起こる
21.生活に変化があると混乱する
22.デリケートな香りや味、音、音楽などを好む
23.同時に自分の中でたくさんのことが進行すると、気分が悪くなる
24.動揺するような状況を避けることを、普段の生活で最優先している
25.大きな音や雑然とした状況など強い刺激に悩まされる
26.仕事をする時、競争させられたり、観察されていると、緊張し、いつもの実力を発揮できなくなる
27.子どもの頃、親や教師は自分のことを「敏感だ」とか「内気だ」と思っていた
出典：『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。』エレイン・N・アーロン著　冨田香里訳　ソフトバンククリエイティブ

ざっとみた感じ、発達障がいの人に生じやすい症状もあれば、
そうともいえないものも混ざっています。

熊本大学教育学部紀要第71号に収監されている菊池哲平（著）「HSPと発達障害は区別可能なのか？」という話題になった論文の中でも、「HSP特性のみ特異的に高いという人は、実際のところかなり招集であることが示唆される」そして「HSPと発達障がいをその臨床症状から明確に区別することは難しいと思われる」と記載されています。

私の実感からもHSPに該当する人の中で、発達障がい特性がありそうな人は数多いものの、それは全例ではなく、HSPに該当するけれども、発達障がい特性が薄いのではないか、と思う人も少数ながらいるように思っています。

ではこのHSPと発達障がいの間にはどのような関係がありそうでしょうか。
次回はそこらへんを記事にしたいと思っております。

黄砂の影響があったり、
花粉がとびはじめたり、
春は体調を整えるのが大変だと思います。
皆様、どうぞご自愛くださいませ。

なおこ心理相談室
公認心理師/臨床心理士
足立直子