6Jun
札幌市近郊恵庭市の臨床心理士/公認心理師によるカウンセリングルーム「なおこ心理相談室」の足立直子です。
皆様、心理検査には興味がおありでしょうか?
当相談室に来られるクライエントさんたちの多くが、心理検査に興味をもっておられ、希望される方も多くおられます。
今回はそんな心理検査がどんな時に役立つのか、そのケースをいくつかご紹介したいと思います。
(個人情報が特定されないように、加工しております。事例掲載はご本人の了承を得ております。)
まずは学校で役立ったケースです。
高校在学中の学生のケースです。
その子はある教科のみ極端にテストの点数が悪く、ついに進級できない事態になってしまいました。
その他の教科は普通に点数がとれており、休まず学校にも行っているため、ご両親も困惑して、当相談室に相談にこられました。
私はWAIS-Ⅲという知能検査をとることをご提案しました。
WAIS-Ⅲではその人の知的能力が分かり、それだけでなく、得意/不得意も分かるため、その後の対応にヒントが得られます。
その子は対人緊張が強く、人前でしゃべることが難しいため、テストでも必要な部分は手書きでお願いしたりと工夫を要しました。
しかしそのような状況でもテストを受けてくれた、ということは、その子自身も自分自身の強み/弱みを見極めたかったからだと思っております。
ご両親に日ごろの様子をお聞きすると、社会的なことが求められる場面で、できないことが多く、両親が手助けをする必要があることが分かってきました。
検査結果では、短期記憶やそれを操作する能力には問題がないものの、それを長期記憶として留めておくことに対する苦手さがみられました。
そのために1つの教科に限って得点が悪かったのだろう、と推測されました。
その他に絵を描いて心理状態をみる検査、質問に答えてもらうことで性格について分かる検査も実施し、葛藤をためこみやすかったり、受動的で環境に積極的にかかわっていくことが難しい傾向があることが示されました。
このようにある1つの教科のみ点数がとれなかったのは、本人の努力の問題ではなく、もともとの能力のためだったのです。
検査結果をご両親が学校に提出したところ、学校の先生が配慮をしてくださり、その子は無事に進級できることになりました。
当相談室では検査結果を学校や病院に提出できるように、無料でお手紙(紹介状)をお作りしておりますので、このように利用していただくことが可能です。
このサービスは多くの方が希望され、連携の一部となっております。
次回は職場で役立ったケースについてみていきたいと思います。
心理検査で皆様のお役に立てるように、これからも努力を続けていきたいと思います。
なおこ心理相談室
臨床心理士/公認心理師 足立直子
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