29Sep
札幌市・恵庭市・千歳市・苫小牧市・北広島市・江別市の公認心理師/臨床心理士によるカウンセリングルーム「なおこ心理相談室」の足立直子です。
秋がやってきましたね。
朝晩冷え込んで、夕暮れも早くなってきました。
これから長い冬に入る準備が始まりますね。
恵み野では37年間あったイトーヨーカ堂が閉店します。
寂しくなります。
今日は認知行動療法が有効だった事例について、皆様とみていきたいと思います。
(事例は個人が特定されないように、加工してあります。事例掲載はご本人の許可を得ております)
今回のクライエントさんは50代の男性です。
初めに奥様が相談に来られました。夫婦関係の相談もあり、ご主人も相談に来たいと希望がありました。
当相談室では男性は基本的にお断りしているのですが、夫婦関係のご相談ということでお受けしました。
そしてご主人のカウンセリングを進めていく中で、職場での人間関係についても相談が及びました。
その方は、職場の誰かが怒っていると、「自分のせいではないだろうか」と気にしてしまい、そのような思考になっている時には、パニックになり、頭が真っ白になる、ということでした。
関係すると思われる成育歴では父親が大変厳格で、父親の顔色をうかがうことが日常になっていました。母親は父親に従属的でした。
そのような家庭環境の中で、彼は適応するために他人の顔色を過度にうかがうようになっていたのです。
彼はそれまでいくつかの会社で働いてきましたが、彼に対して厳しい評価をする会社もありました。
彼はその厳しい評価を自分に取り入れ、余計に自信をなくし、周りの雰囲気を察するようになっていきました。
しかし転機が訪れます。
新しい会社に入社したのをきっかけに、周りの対応が代わり、彼自身「もしかしたら自分の考え方は偏っているかもしれないぞ」と思い始めたのです。
そしてカウンセリングが始まりました。カウンセリングでは認知行動療法を適用しました。
彼は誰かが怒っていると「自分のせいかもしれない」と恐縮しがちでしたが、「冷静に考えると、自分のせいではないかもしれない。これはただ単に〇〇さんが機嫌が悪いだけなんだ」と認知の歪みを修正していきました。
また「〇〇さんは自分のことを嫌いなんだ。なぜならさっき質問に答えてくれなかったから」と思うところを「さっきは〇〇さんは忙しくて、自分のした質問は彼の耳には入っていなかったんだ」と現実をみることが出来るようになっていきました。
こうしてカウンセリング場面だけでなく、日常場面でも認知行動療法を利用したことで、彼の認知は驚くほど修正されていきました。
そしてたまに認知行動療法では語りつくせないところを、カウンセリングで話すことで、自分の気持ちを表現することもできるようになっていきました。
こうして彼は精神的に健康になり、仕事の能率もあがり、職場でも認められるようになっていきました。
このように認知行動療法が有効な事例がたまにあります。
認知の歪みが極端な場合がその例に挙げられると思います。
その様な時には、クライエント中心療法に認知行動療法を織り交ぜて対応させていただいております。
皆様の精神的に健康になり、社会で活躍されることを祈って。
→ご予約
なおこ心理相談室
公認心理師/臨床心理士 足立直子
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