札幌市・恵庭市・千歳市・苫小牧市・北広島市・江別市の公認心理師/臨床心理士によるカウンセリングルーム「なおこ心理相談室」の足立直子です。
今日の恵庭は青空で暖かいです。
ここ数日暖かい日が続き、身体がゆるゆるしています。
でも風邪を引いている人が多いようですね。
皆様もどうぞお気をつけくださいね。
以前紹介した精神科医の村田忠良先生の著書「老いの人間学」からの言葉です。
村田先生は診察の中で、よくお年寄りの患者さんから、
「生きていたって何の役にも立たない。立たないどころか迷惑かけてばかり。死んだほうがいい。ちょっと薬を盛ってくれないか」
などと言われることがおありだった、といいます。
村田先生は、ここで、イタリア映画の「道」の中の言葉を出しておられます。
女主人公のジェルソミーナにピエロ役の男が言うセリフです。
「路傍の小石だって、僕たちには分からない存在理由があって、そこにあるのだろう。神様がむだはなさらないはずだもの」
このセリフを受けて、村田先生は、お年寄りたちに、
「そこにいてくれるだけでよい。生きていて下さるだけでよい。そんな存在があるものだ」
「もの言わぬ墓一つだけが、親族の絆になっていることも少なくないのだ」
「‘わたしゃ無形文化財よ’と威張って長生きしてよいのである」
とエールを送っておられます。
年を取るということは、精神的な成熟に向かうことでもあり、喪失体験も含むものと思われます。
生老病死、ブッダが分けた4つの苦しみの中にあります。
そのような喪失体験と対面する時、村田先生のエールは心に響くことでしょう。
私の祖父は、亡くなる前には身体は老いていましたが、精神性高く、仏教心にも篤い人でした。
いくどとなく、人間としての教えを、私も受けてきました。
亡くなった今も、私の中に毅然とした姿をみせてくれます。
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なおこ心理相談室
公認心理師/臨床心理士 足立直子
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