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なおこ心理相談室BLOG 〜札幌近郊カウンセリングルーム〜

心理検査が役立つ時②

札幌市近郊恵庭市の臨床心理士/公認心理師によるカウンセリングルーム「なおこ心理相談室」の足立直子です。

前回は心理検査が学校で役立った例をご紹介しました。
今回は心理検査が職場で役立った例をご紹介します。
(個人情報が特定されないように、加工しております。事例掲載はご本人の了承を得ております。)

20代の女性会社員と40代のその上司がクライエントとして当相談室にやってきました。
20代の女性会社員は仕事を覚えられない、ミスが多い、ということで上司が困っての来室でした。
上司は当相談室のブログを愛読してくださっており、部下の女性に発達障害が潜んでいるのではないかと心配していました。
これ以上仕事が進まない状況が続くと、解雇にもなりかねない現状、とのことでした。
上司は部下と知り合った縁を強く感じておられ、解雇にはならないように指導したいと強く思っておられました。

また上司も自分自身も発達障害ではないか、と心配しておいででした。
昔からミスが多く、人の話を最後まで聞けずに、言葉をかぶせてしまい、落ち着きなく、せかせかしていることが多いといいます。
早合点をしてしまうことが多く、思ったことをすぐに口にしてしまい、相手を傷つけてしまうことがある、とのことでした。
部下の女性が言うには、自分への指導が行き過ぎたものだという意見も会社内で出ており、部下は上司の立場を心配しておいででした。
部下の女性自身は、その上司の指導について特に行き過ぎたものだという感覚はない、とのことでした。

カウンセラーは女性会社員とその上司に、描画法(HTP法)とWAIS-Ⅲ(知能検査)を受けることをご提案しました。

結果、女性会社員は能力的に低く、仕事を覚えられなかったり、ミスが多いのは、その人の努力不足ではないことが確認されました。
そのため上司にはよりきめ細やかな指示を出すこと、しっかりサポートすることが必要になってくる旨伝えました。
パーソナリティも個性的で、その個性を会社内で生かすことができれば…、と思われました。

上司は少々硬いパーソナリティと衝動性の高さがみとめられました。
それに加えて、家族を大事に思っていることが示され、お聞きすると、「家族ができてから自分は変わった」と家族の存在が大きいことが示唆されました。
発達障害かどうか(これ自体は医師しか判断できないことなので、私たち臨床心理士/公認心理師には判断はできないことなのですが)については、
この結果で積極的に診断されるかどうかは微妙なところであるので、希望されるならば、精神科クリニックをたずねる必要があることをお伝えしました。
上司は私が以前にブログでお伝えしたカウンセリングの姿勢、「必要な時に 必要なことを 必要な分だけ」を心に留めておられ、このように部下に接したいとおっしゃっていました。

このように心理検査は、お互いを知り合うことが出来、そして関係を深めることが出来るツールであると思われます。
知りたいことを知ることはもちろん、それ以外でもその人のポジティブな面が分かることもあり、より豊かにその人を知ることが出来ます。

心理検査が理解の一助となるように、これからも研究を進めていきたいと思っております。

→予約

なおこ心理相談室
臨床心理士公認心理師 足立直子

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