8Mar
札幌市・恵庭市・千歳市・苫小牧市・北広島市・江別市の公認心理師/臨床心理士によるカウンセリングルーム「なおこ心理相談室」の足立直子です。
今日は曇り空の恵庭です。
最近はずいぶん気温があがり、道路はぐちゃぐちゃですが、身体がゆるゆるとほどけていく感じがします。
春ももう間近ですね。
コロナウィルスの社会への影響はまだ続きそうです。
北海道では感染者が90名を超しました。
皆様、手洗い・うがい・マスクの着用で拡散を防ぎ、自身を守ってあげてください。
今日はカウンセリングを通して、入院という決断をしていった事例を皆様と共有していきたいと思います。
(事例は個人が特定されないように加工してあります。事例掲載はご本人の許可を得ています)
高校生のその子は、疲弊した様子で当相談室を来談しました。
4月になり、高校に進み、友達を作ろう、勉強を頑張ろうと希望にあふれて入学しました。
勉強も上位で、友達も出来、一見するとよいスタートを切れたように見えました。
しかし、入学から3カ月くらいしてから、授業中・休み時間に過呼吸発作が起こるようになりました。
そこで医療機関を受診したところ‘適応障害’と診断がつき、薬物療法が開始されました。
ご本人もご両親も薬物療法だけでは回復は難しいだろうと考え、当相談室に来談することになったのです。
来談時は、彼女はほぼ毎日の過呼吸発作に疲れ果てた様子でした。
カウンセリングを重ねると、入学時に緊張感が高かったことが分かってきました。
当相談室では、漸進的筋弛緩法(身体の緊張をとっていくことで、心の緊張も緩和する方法です)や呼吸法の仕方を伝え、一緒に練習しました。
しかしなかなか過呼吸発作は治まりませんでした。
そこでしばらく休学して様子をみようということになり、主治医に診断書を書いてもらい、休学することにしました。
すると過呼吸発作は起こることがなくなり、少し安心して落ち着いた生活が出来るようになりました。
しかしそこで問題が発生しました。
ご本人の行動化が顕著になりはじめたのです。
希死念慮が生じ、リストカットをしたり、首を吊ろうとしたりし始めました。
この行動は、本当に死にたいという気持ちの他に、他者に自分の辛い気持ちを伝えたいというメッセージがありました。
ご両親はそんな娘の看病に心身ともに疲れ果ててしまいました。
そこでカウンセラーはご本人の休養とご両親の心身の回復を狙って、短期間入院してみてはどうか、と提案しました。
ご本人も最初は抵抗感があったようですが、よくよく考えると、ご自身もご両親から少し離れて療養したいと思うようになっていきました。
ご両親もリフレッシュをして、またご本人の療養を支えることが出来るよう、短期間の入院を受け入れて行きました。
そして主治医に相談して、入院が決定しました。
カウンセリングは一旦お休みにすることにしました。
彼女の状況が少しでも良くなっていることを願っています。
→ご予約
なおこ心理相談室
公認心理師/臨床心理士 足立直子
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