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なおこ心理相談室BLOG 〜札幌近郊カウンセリングルーム〜

自閉スペクトラム症(アスペルガー障害)が隠れていた事例

札幌市・恵庭市・千歳市・苫小牧市・北広島市・江別市の公認心理師/臨床心理士によるカウンセリングルーム「なおこ心理相談室」の足立直子です。

今日の恵庭は雪が降っており、少々荒れた天気です。
今年の2月は温かく、雪が解けては、凍るの繰り返しで、滑りやすい道路になっています。
皆様、足元にはお気をつけください。

今日は、自閉スペクトラム症(アスペルガー障害)が隠れていた事例を皆様と共有したいと思います。
(事例は個人が特定されないように加工してあります。事例掲載はご本人の許可を得ております)

高校生のその子はまだあどけない感じの残る可愛らしい女の子でした。
よく話を聞くと、抑うつ状態が疑われ、簡易抑うつ症状尺度(QIDS-J)を用い、抑うつの評価をしました(無料の検査となります)。
すると睡眠、食欲、気分の低下、希死念慮などにおいて重い抑うつが疑われ、総合評価は‘きわめて重度の抑うつ’という結果になりました。
希死念慮について心配し、質問すると、死について考えない時はなく、その道具もそろえてしまった、とのことでした。
そのことは親は知らない、とのことで、これは知らせる必要性があると考え、その子に許可を求めると、親にも伝えてもよい、とのことでした。

そのためすぐ親御さんに当相談室に来談できるように連絡し、来談していただきました。
お嬢さんの様子を伝えると、親御さんは「うつ状態だとは思っていたけれど、そこまで深刻と考えていなかった」ということでした。
スムーズに医療機関に繋げることが大事だと考え、当相談室からよく紹介している医療機関をご紹介しました。
そして紹介状をお作りし(無料)、すみやかに医療機関を受診していただきました。
医療機関もすぐに対応してくださり、抗うつ剤や抗不安剤などを処方してくださいました。

これで心理療法の土台が出来上がりました。
具体的に話を聞くと、学校での人間関係で悩んでいる様子でした。
中学校までは地域の中学校で、幼馴染たちと元気に交友していましたが、高校に上がり、全く同じ中学校の友達がいなくなってしまいました。
新しい友達作りに苦労し、なかなか友達ができず、孤独感にさいなまれている状態でした。
カウンセリングではその孤独感を癒し、友達作りのために、友達にどう声掛けをしたらよいかなどを一緒に考えました。
その子も抑うつ状態の中頑張り、友達と自然に会話できるように声掛けを重ねました。
すると同じグループに入れてくれる子が出始めたのです。
女の子の人間関係は繊細で複雑ですが、同じグループに入れてもらえれば、一安心です。
その子も一息つけたようでした。

セッションを重ねるごとに、その子の少しユニークなところにカウンセラーは気付き始めました。
授業の様子を聞いてみると、得意科目と苦手科目がはっきりしている、とのことでした。
そこで知能検査をご本人と親御さんに提案したところ、ご本人も親御さんも、そのユニークな特性に気が付いておられ、検査を希望されました。
WAIS-Ⅲという知能検査を実施したところ、得意分野と苦手分野の間に特に差が大きいことが示されました。
検査結果を主治医にも見てもらったところ、自閉スペクトラム症(アスペルガー障害)と診断されました。

そこでカウンセリングでは、実際に困っている場面について、具体的に振り返り、対策をみつけるセッションを重ねました。
するとその子は少しずつ困った場面に対処できるようになってきました。
セッションを重ねていき、一人で歩めるようになってきて、セッションの間も空くようになり、終結を迎えました。

ご本人が、今も元気に学校生活を送っていることを祈って。

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なおこ心理相談室
公認心理師/臨床心理士 足立直子

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