18Jan
皆様、こんばんは
札幌市近郊恵庭市のカウンセリングルーム「なおこ心理相談室」の臨床心理士の足立直子です。
私は病跡学が好きで、図書館で病跡学についての色々な本を借りてきて読む時間が好きです。
病跡学はパトグラフィーともいい、Wikipediaでは、
歴史的に傑出した人物の生涯を精神医学及び心理学的観点から研究分析し、その活動における疾病の意義を明らかにしようとする学問
と説明されています。
先日ネットでググっていたら、斎藤環先生(精神科医)の「「文学」の精神分析」という病跡学の本を見つけ、早速図書館に行きました。
残念ながら恵庭市立図書館にはなく、北海道立図書館さんからお借りして、ようやく手元に届きました。
この本の「はじめに」の中に素敵な言葉を見つけましたので、皆さまと共有したいと思います。
斎藤環先生は作家論について、以下のような壮大な比喩を用いておられます。
少々長いですが、引用させていただきますね。
人間はひとりひとり、ひとつの宇宙を内包している(だから殺してはいけない、と中井久夫は言った)。
宇宙の組成は言葉だ。共通の成分ゆえに、宇宙同士は互いに影響を及ぼし合うことができる。
ひとつひとつの作品は作家という宇宙空間に漂う島宇宙だ。
ただしそのように言ったからといって、常に作家よりも作品が小さいとは限らない。
偉大な作品はしばしば、それを生み出した作家のサイズを超えてしまうからだ。
外延量だけでは推し量れない、内包量的な強度をはらむ小宇宙。
作家論とはこのようなものだと、斎藤環先生は論じておられます。
どうして人を殺してはいけないのか
スクールカウンセラーとして学校で勤めていた頃、
思春期の子たちに問われた時に、私は自信をもって答えることが出来ませんでした。
人間の命の尊さ
家族の悲しみ
人生を終わらせてしまうとはどういうことか
などなど頭を駆け巡りましたが、このように問う子どもたちが心から納得する答えとは思えませんでした。
今回、この本を読んでいて、この文章はきっと子どもたちの心に響くのではないか、と思いました。
皆様の心にはどのように響きましたでしょうか。
寒い日が続きます。
皆様、どうぞお身体お大事にお過ごしくださいませ。
※写真は我が家にやってきた猫です。去年の10月に生まれた女の子です。
インスタグラムにも登場予定です。
どうぞかわいがってやってください。
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