15May
札幌市近郊恵庭市の臨床心理士/公認心理師によるカウンセリングルーム「なおこ心理相談室」の足立直子です。
今日は2007年8月に行ったティーチプログラムの視察研修について皆様にお知らせしたいと思います。
私がティーチプログラムに興味をもったのは、私が大阪教育大学で特別支援教育と心理学を学んでいる時です。
現大阪医科大学LDセンター、当時は教授だった竹田契一先生の講義でアスペルガー障害のこと、そしてティーチプログラムというものがあることを学んだのです。
竹田先生はとても話が面白く、講義も大変人気がありました。
その時にティーチプログラムという取り組みが、自閉症スペクトラム障害を抱えた人たちの大きな助けになることを聞いて、最初は「本当か?」と訝ったりするくらい革新的なシステムでした。
そのため、一度、本場アメリカのノースカロライナ州に行ってみたい、と思うようになったのです。
それが現実となったのは、2007年8月でした。
児童精神科医の佐々木正美先生が代表とするノースカロライナ州のティーチプログラムの視察研修の機会があったのです。
料金もかかりましたが、迷わず参加しました。
まず驚いたのが、ノースカロライナ州では自閉症スペクトラムの人の自傷行為がほとんどない、ということです。
日本では適切な場面づくりをすることが難しく、悲しくも自傷行為にいたってしまう人がいることは確かです。
それを州の取り組みで、ほとんどなくすことが出来ているということに驚きました。
また知的障害をもつ自閉症スペクトラムの人たちが、レストランの厨房で笑顔で働いているのです。
今、日本では知的障害をもたない自閉症スペクトラムの人(アスペルガー障害の人)でも就職はかなりハードルが高いものとなっています。
それをノースカロライナ州ではティーチプログラムという州の取り組みで、可能にしたのです。
ティーチプログラムでは視覚化、構造化を大切にします。
自閉症スペクトラムの人(アスペルガー障害の人)はパッと目で見たものを取り入れることが得意です。
反対に耳で聞いたことを取り入れるのは苦手とすることが多いです。
その特性を生かして、絵カードを作ったり、写真を使ったり工夫しながら視覚化をしています。
アメリカでは成人したら、子どもは家を離れることが一般的になっています。
そのため親は子どもを自立させることを大切に思っています。
ティーチプログラムはその親の気持ちに寄り添い、グループホームなどで集団生活をすることで、自立を促しています。
当相談室の療育でもティーチプログラムを取り入れております。
療育のお部屋もご用意しております。
今後もより一層研鑽につとめていきたいと思っております。
なおこ心理相談室
臨床心理士/公認心理師 足立直子
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