12Jul
札幌市・恵庭市・千歳市・苫小牧市・北広島市の公認心理師/臨床心理士によるカウンセリングルーム「なおこ心理相談室」の足立直子です。
今日は一人の少女が元気を取り戻すプロセスを皆様と共有したいと思います。
(個人情報が特定されないように、加工しております。事例掲載はご本人の了承を得ております。)
その高校生の少女は朝起きられないという症状が強く、学校に登校できなくなりました。
母親が朝何度起こしても起きることが出来ないのです。
心配した母親が当相談室を見つけ、来談しました。
その少女は口数は少なかったのですが、意志の強そうな目をしていました。
少女自身もなぜ朝起きられなくなったのか、その原因がつかめないようでした。
母親は夜ベッドに入る時にはスマホを預かるなどの工夫もしており、日常生活は整っているようでした。
また学校での友人関係も良好で、登校を渋るような原因も見当たりませんでした。
当相談室ではその少女にはプレイセラピーを実施しました。
口数は少なく、沈黙しがちであったので、沈黙を自然に埋めるプレイセラピーが適当と思われました。
そんな中、一緒に塗り絵などをするうちに、少しずつ自分のことを話してくれるようになりました。
塗り絵などの作品は、強弱のついた色使いで、能力の豊かさが感じられました。
そして徐々に朝起きられないけれども、母親には根気強く起こしてもらい、遅刻しても学校に出席できるようになっていきました。
学校の先生も協力的で、学校生活を支えてくれました。
テストも何とか全部受け、成績もつけてもらえるようになりました。
そして最高学年になり、受験を迎えました。
成績と見比べつつ、友達と一緒に受けられるような、魅力のある大学を探しました。
このころには、朝起きるのは苦手だけれど、遅刻せずに登校できるようになっていました。
大学受験当日は心配したものの、ちゃんと朝起きることが出来、成果も満足いくものでした。
数カ月、当相談室への来談は間があきました。
カウンセラーも、少女がどうしているか気になりながら、待っていました。
すると、母から「最期に一度挨拶がしたい」と連絡があり、久しぶりに面談をしました。
大学へは午前6時台に家を出ないとならないので、とても早起きする必要があるが、今のところ問題なく起きることが出来ている、とのことでした。
大学生活も充実して、元気に通えている様子でした。
元気になると、カウンセリングからは足が遠のくものだと思います。
そんな中で、最後に嬉しい報告をしに来てくださり、カウンセラー冥利につきる思いがしました。
今後も一人一人の歩みに同伴しながら、その子らしく輝けるようにサポートしていきたいと思います。
なおこ心理相談室
公認心理師/臨床心理士 足立直子
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