9Nov
皆様、こんにちは。
札幌市近郊恵庭市の臨床心理士によるカウンセリングルーム「なおこ心理相談室」の足立直子です。
今日は本の紹介をさせていただきます。
「アスペルガーの心② パニックダイジテン」フワリ(著)です。
これは9歳のお誕生日の2日前にアスペルガー障害であると本人告知を受けた
フワリちゃんが小学校5~6年生の時に、
「パニック」について内面を語った絵本です。
絵もフワリちゃんが描いています。
アスペルガー障害の人がパニックになると、
周りは困ってしまうことがありますよね。
でも本当に困っているのは、本人だということが、この絵本で分かります。
フワリちゃんはパニックになる原因をこう分析しています。
①ダメ出しをされたとき
②忘れ物をしたとき
③自分の意見が通らなかった時
④からかいを受けた時
⑤呼び捨てにされたとき
⑥わからない時
⑦無理やりさせられた時
⑧せめられた時
そしてフワリちゃんは、パニックについて
「パニックというのは、アスペルガーの人の『がまんのコップ』以上に
傷つけられた時、そこから身を守るためにそなえつけられた大切なもの。
これ以上はやめて、というサイン」
としています。
そしてイヤーマフをつけて静かにすることや
クールダウンするためのお部屋を用意しておくことが、
パニックの対策にもなると教えてくれています。
さらに
①おふざけパニックの時は少しかまって
②泣きパニックの時はそっとしておいて
③無理やりさせないで
④「しずかにして」って言わないで
⑤一人にしてほしい
⑥次にすべきことを教えて
という対応についても書いてくれています。
学校ではどうしても集団生活が重視されるので、
アスペルガーの人がパニックになった時に、
あわてて静かにさせようとしてしまうことがあるかもしれません。
でも、ここで一歩立ち止まって、
フワリちゃんからのアドバイスを生かしてみてもよいかもしれませんね。
そしてあとがきを書いているのが、
私が大阪教育大学で学んでいた時に人気者の教授だった竹田契一先生でした。
久しぶりにお名前をみて、とてもなつかしくなりました。
竹田先生は
「一人ひとりが『パズルのひとかけら』としてお互いの違いを認め合い、
相互に理解し合える社会をめざすことが、フワリさんが望む『パズル』の
完成だと感じました」
と締めくくっておられます。
一人ひとりの違い、その個性を互いに認め合える社会になってほしいですね。
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