9Nov
皆様、こんばんは。
札幌市近郊恵庭市のカウンセリングルーム「なおこ心理相談室」の臨床心理士の足立直子です。
恵庭は激しい雨の後にめっきり冷えました。
来週には雪が降るそうです。
もう薄いダウンコートは限界かな。
本格的な分厚いダウンコートが必要になりそうです。
さて、前回はチェックリストから見えてくる社交不安障がいをみてみました。
今回は社交不安障がいの発達的側面を考えていきたいと思います。
最初に症状があらわれるのは、赤ちゃんの時の「人見知り」です。
このように書くと人見知りは良くないもののように思えてしまいますが、
立派に発達している証拠でもあります。
もともと「人見知り」はお母さんやお父さんと‘その他の人’に対する区別です。
家族以外の新たな存在に対する反応ですので、
ちゃんとお母さん・お父さんとそれ以外の人の区別がつくようになった、
という喜ばしい行動であるという側面があります。
しかし、人見知りが初めての社交不安にもつながるということは、
この疾患がいかに幼い頃の対人関係に根差しているかがうかがわれます。
そしてその後には、幼児期/児童期に多い、‘恐怖症’がみられます。
例えば犬や虫、雷などへの恐怖心です。
小学生の頃には、ほとんど皆、何かしらの‘怖いもの’をもっていたのではないでしょうか。
そして‘分離不安症’もみられるようになってきます。
初めての幼稚園/保育園で、お母さんが帰ろうとすると、怖いような不安なような気持ちで
泣き出してしまいます。
多くのお子さんが経験する不安でしょう。
お母さんが帰ってくるまで、子どもたちが頑張っている背中がけなげに映ります。
小学生になると、クラスメートの前で発表することが苦痛であったり、顔が赤くなることがあります(赤面症)。
引っ込み思案、大人しい、あがり症、という状態が現れてきます。
この緊張感は、より高いパフォーマンスをしようという向上心の現れでもあるでしょう。
子どもたちが胸を張れる結果が出せたら、自信をはぐくめるものと思います。
しかし成功ばかりが成長の糧ではありません。
失敗をすることが、他人の気持ちを知る入り口になるかもしれません。
また高いところや狭いところへの恐怖症(高所恐怖症など)も見られるようになってきます。
対人関係において非常に緊張したり、対人関係が苦痛である‘対人恐怖症’もみられるようになってきます。
これは比較的高い年齢においてもみられるものです。
対人恐怖症は、もともとの遺伝的要素も強い気質がベースにあって、生じるものと思われています。
明らかなきっかけのあるものもあれば、そうでないものもあるでしょう。
必ずしも‘人見知り’の強い子が対人恐怖症になるわけではありません。
その後の環境要因も無視できないものと思われます。
次回は、社交不安障がいは、具体的にどんな場面で生じるかを
皆様と考えてみたいと思います。
次回もどうぞよろしくお願いいたします。
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