8Nov
皆様、こんばんは。
なおこ心理相談室の臨床心理士の足立直子です。
今日は恵庭は一日中雨降りでした。
一日お日様を浴びないと、なんだかモヤッとしますね。
さて、突然ですが、以下のチェックリストはどんな精神疾患のチェック項目でしょうか?
1)他人の前で注目を浴びるかもしれないことに対して、顕著で持続的な恐怖を感じる
2)自分が感じている恐怖は過剰であり、理屈で説明できないと思っている
3)恐怖を感じるような状況を避ける傾向がある
4)避けることができない時には、強い不安や苦痛を感じながら耐えている
5)そのために日常生活や仕事、社会活動、学業、他者との関係に支障をきたしている
6)恐怖のために、日常生活などに著しい苦痛を感じている
7)上記は薬物の影響や、身体疾患によるものではない
8)上記は6か月以上続いている
皆様は、いくつ当てはまったでしょうか。
これは社交不安障がいのチェック項目です。
しかしよく思い描いてください。
‘他人の前で注目を浴びるかもしれないことに対して、顕著で持続的な恐怖を感じる’
このことについて、皆様は、こんな場面を経験したことはないでしょうか?
学生時代にみんなの前で発表するときに、とても緊張して、顔が赤くなり、小さな声で何とか答える…
学校ではよくある光景ですよね。
社交不安障がいは、日本人では、12か月に区切った場合に罹る確率(12か月有病率)は、0.8%とされています。
アメリカでは13.3%や8%と、もっと高い数字が報告されています。
性差は、どちらかというと女性に多いようですが、
治療の場面に現れるのは男性の方が多いようです。
こうしてみてみると、
アメリカよりは確率は低いですが、割合身近な精神疾患といえます。
またこの疾患をもっていない人でも、罹病している患者さんの気持ちを察しやすいことも特徴かと思います。
年齢的には10代半ばと30代が多いと言われています。
中学生くらいの時期に、自意識の高まりとともに増加し、特に対人恐怖症的な症状が多いようです。
引きこもりの原因の一つにも考えられます。
30代は、初めて管理職になり、緊張感が高まったり、ママ友同士の付き合いのストレスから罹病したり…
ライフスタイルは違えど、人間関係の緊張感が主な要因のようです。
これから数回にわたって、この対人関係に影響を与える社交不安障がいについて、皆様と考えていきたいと思います。
次回は-どんな場面で症状が出やすいか/発達的側面-をみてみましょう。
では、また次回にお会いしましょう。
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