4Sep
札幌市・恵庭市・千歳市・苫小牧市・北広島市・江別市の公認心理師/臨床心理士によるカウンセリングルーム「なおこ心理相談室」の足立直子です。
今回は、ADHD症状をもち、大人になられた際に出会うことの多い困難な場面と、その対応策の一部を皆様と考えて行きたいと思います。
○複数の作業をこなさないといけないが、どれも中途半端に終わってしまう場合
→(対応策)
1)作業を小分けにし、優先順位をつけ、メモ用紙に書き出す。
2)メモ用紙に書いた順番に作業をこなし、出来上がったらチェックをつけていく。
※最近100均のお店で売っている‘todoリスト’も役立つかもしれません。
※ご自分一人でお考えになっても上手くいかない場合は、支援者や理解のある人と一緒に具体策を練ってみるのもよいでしょう。
○忘れ物が多い
→(対応策)
1)家から職場や出先へ行く時に持っていくものを、リストに書いておき、部屋や、ドアの前に貼っておく。
2)家を出る前に、リストを見ながら、忘れ物がないか確認する。
3)重要書類などは、職場から持ち出さない。
○片づけられない
→(対応策)
1)一つ一つ、使い終わったら、所定の位置に片づける。出しっぱなしにしない。
2)大き目のカゴなどを用意し、カゴに(洗濯物)などと書いておく。例えば洗濯物のカゴへは、洗濯物が出るたびに、カゴに入れていく。
○衝動買いをしてしまう
→(対応策)
1)持ち歩くお金を減らし、1日に使うお金の上限を決めておく。出来るだけクレジットカードは持ち歩かない。
2)高額の品は、見つけた日には買わず、いったん帰宅して、家族と相談の上購入する。
3)高額な買い物の場合、支払は家族の人が行う。
4)欲しいもののリストを作り、本当に買えるかどうか、家族と相談する。
○会議などで失言や衝動的な発言が多い
→(対応策)
1)発言しようと思ってから、10秒待って、考え直してから発言する。
2)会議などの前には、事前に発言内容をある程度決めておく。
3)発言する前に、手を上げて「ちょっといいですか」など、クッションとなる言葉を入れる。
○約束を忘れてしまって、守れない
→(対応策)
1)スケジュール帳に日時を書き込んでおく。また、スケジュールは、自分で思っている以上に余裕をもたせたスケジュールを工夫する。
2)用事を頼まれたら、安請け合いせず、一旦スケジュール帳を確認してから、返事をする。
3)一日のスケジュールを時系列で紙に書いて、見やすい場所に貼っておく。終わった用事は、チェックをつけて消していく。
4)タイマー・スマートフォンのアラームなどで、約束の時間を思いだせるようにする。
以上は、ほんの一部の対応策です。
お一人お一人、お困りの場面は違ってくると思います。
またお一人お一人の置かれた状況も違ってくると思いますので、対応策は、状況に合わせたものの方が良いでしょう。
ADHDの方々の対応策を共に考えていくことは、クリニックなどの医療機関や、地域で開業している臨床心理士、各都道府県にある「発達障害者支援センター」でも出来ます。
よき理解者、支援者を一人でも増やすと、生活しやすくなるかもしれません。
皆様の才能が、社会やご家庭の中でよりよく発揮できますように。
→ご予約
公認心理師/臨床心理士 足立直子
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