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なおこ心理相談室 〜札幌近郊カウンセリングルーム〜|トゥーティッキ 心の散歩道

トラウマ@胆振東部地震

皆さま、こんにちは。

札幌市近郊恵庭市の臨床心理士によるカウンセリングルーム「なおこ心理相談室」の足立直子です。

9/6の胆振東部地震では、北海道の皆様、怖い思いをされたのではないでしょうか?
死者、けが人も多く、特に厚真、安平、鵡川などにお住まいの方々は今も避難生活で大変な思いをされていることでしょう。
少しでも早い復旧を心よりお祈り申し上げます。
皆さまが安心して暮らせるようになりますように。

今日はトラウマについて、皆様と知識を深めたいと思います。

トラウマという言葉は、日常でもよく使われますね。
一般に‘嫌だったこと’くらいの軽い意味合いから、笑い話にできない深刻な意味合いまで、様々だと思います。

では、医学的に‘トラウマ’とはどんな意味合いで使われるのでしょうか。
日常的な’トラウマ’という言葉は、不安や恐怖だったことに対して使われ、時間がたてばその記憶は薄れていき、
新しい体験によって救われ、ひとりでも対処できるもののことを指します。
一方で医学的な意味合いの‘トラウマ’は事件の後1か月くらい経ってからでも、事件を何度も思い出したり、
ショックで社会生活が困難になったり、自信を失い、家に閉じこもるなど日常生活に支障があらわれる場合を言います。

ではトラウマは同じ経験をした人皆に現れるものなのでしょうか。
答えはNOです。
トラウマは各個人の性格や生活環境などの違いによって、現れたり、現れなかったりします。
同じ経験をした人皆が、同じトラウマをもつわけではないのです。
例えば今回の胆振東部地震で、震源地で暮らしていたけれども、トラウマ反応がみられない人もいれば、
震源地から遠くて、被害が軽くても、トラウマ反応がみられる場合もあります。
そのため災害の規模だけにとらわれずに、個々の状況もよくみて対応することが大切です。

では打たれ強い人はトラウマにも強いといえるでしょうか?
これも答えはNOです。
どんなに打たれ強い人でも、トラウマ反応に悩まされることはあります。

 

トラウマ反応の中でPTSDという概念があります。
日本語では心的外傷後ストレス障害といいます。
事件事故、災害などによって強いストレスを受け、1か月以上経過しても、生活に支障が出ている状態です。
大きくその症状は3つにわけることができます。

①再体験
トラウマ体験を思い出す。
似たような状況におかれたとき、不安や恐怖を感じる。

②回避・まひ
体験を思わせるもの、状況、場所、人などを避ける。
体験のことを思い出そうとしない。

③過覚醒
小さなことを気にするようになり、なんでもないことで驚いたり、怒ったりする。

この3つの症状が全て現れる人もいれば、部分的に現れる人もいます。
そしてこの3つの症状は、異常というわけではなく、災害などが起こった時の当然の人間の反応でもあります。
しかし、その反応が長く続き、生活に支障が出てしまう時に、問題として立ち現れるのです。

 

では災害などから1か月以上経過しないと、診断はできないのでしょうか。
これも答えはNOです。
1か月以上経過しなくても、災害直後からトラウマ反応があり、その後のPTSD発症が考えられる状態を
ASD(急性ストレス障害)といい、治療の対象になります。
ASDでは先ほどの3つの症状に加え、解離症状(自分の心が身体から離れてしまったような感覚。感情や現実感
が失われ、なにごとにも実感がわかなくなる状態)がみられることが多くあります。
対応としては身の安全を確保して、精神面を安定させ、PTSD発症を防ぐことが大切になります。

 

当相談室にも、震災後のショックに関する相談が増えてきています。
カウンセリングでお話することで、食事をとることができるようになったり、と生活に改善がみられております。
まずは身の安全を第一に、そしてライフラインが復旧することを祈っています。
PTSDは弱い人がなるというわけではありません。
周囲からみて気になると思ったり、ご自身でつらいと思った場合には、SOSを出してください。

 

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