9Apr
皆様、こんにちは。
札幌市近郊恵庭市のカウンセリングルーム「なおこ心理相談室」の臨床心理士の足立直子です。
4月になりました!
入学式、入社式と新たな環境へトライする人たちがあふれていますね。
フレッシュなその姿を見ると、自分の入学式や新たな仕事環境に身を投じた時のことを思い出します。
まだまだ寒い北海道の春ですが、桜の花が見えるような気がします。
今日は「4月のうちに5月病について学ぼう!」ということで、5月病についての情報を皆さまと共有したいと思います。
5月病というのは、正式な診断名ではなく、世間一般で言われる精神状態についての用語です。
ですので、正式な診断項目はありませんが、以下のような症状を5月病と呼んでいます。
☑睡眠障害(夜眠れない、朝起きられない、早朝に目が覚めてしまう、ぐっすり眠った感じがない)
☑免疫力の低下(風邪をひきやすくなる)
☑頭痛がするなど身体の不調があらわれやすくなる
☑食欲がなくなる
☑めまいや動悸がする
☑会社、学校へ行きたくなくなる
☑焦りや不安を感じやすくなる
☑何をするのも意欲がわかなくなる
☑周りのことへの興味関心がなくなる
上記のような症状が現れたら、5月病の疑いがあります。
この5月病、これまでは「責任感が強い」「几帳面」「完璧主義」「忍耐力が強い」「理想を掲げる」
といった特徴のある人がかかりやすいと思われていましたが、
近年ではこれらに当てはまらない人でも発症していることが分かってきました。
では、なぜ5月病にかかるのでしょうか。
それは、「環境の変化」が大きな理由として考えられています。
4月には新しい環境へチャレンジする人が多くいると思います。
それまでの環境でお世話になってきた人たちとの別れや、新たな環境への適応には、
想像以上の精神的エネルギーが必要になってきます。
新たな環境では、慣れない仕事や勉強に「ちょっと手を抜く」ことができにくいことと思われます。
また一生懸命頑張る人や、変化に敏感な人は、そうではない人に比べると、よりストレスを感じやすいでしょう。
忍耐力の強さはいつもであれば良い面として取り上げられますが、疲れているのについつい頑張ってしまって、5月病になってしまうこともあるかもしれません。
高い理想の元に行動する人や完璧主義な人、几帳面な人は、自分の心身のキャパティシーを超えて頑張ってしまいやすいかもしれません。
そして5月や6月になって、心身の疲れがどっと押し寄せてくるのです。
(5月病は6月にも多く見られる傾向にあります)
では5月病を予防するにはどうしたらいいでしょうか?
☑知人、家族に話を聞いてもらう
日ごろから話を聞いてもらい、ストレス解消を図りましょう。
気持ちを共有することで、気持ちは軽くなることと思います。
もし知らず知らずのうちにストレスを抱えていたら、話をすること、聞いてもらうことで、自分のストレスをしっかり自覚することにも繋がります。
☑睡眠を多くとり、休養を心掛けて回復を目指す
連休をきっかけに夜更かしや朝起きる時間が遅くなっているなど生活リズムが崩れがちになっていたら、
規則正しい生活を心掛けることが重要です。
睡眠リズムが後ろ倒しになっている場合、まずは起床時間を一定にすること、昼寝を防ぐことで、少しずつ元のリズムに戻しましょう。
☑運動やリラクゼーション、趣味によるストレス解消を図る
ウォーキングは抗うつ剤と同じくらいの抗うつ効果があると言われています。
ウォーキングやランニングはストレス発散にもつながるでしょう。
運動が苦手な人は、ヨガやストレッチなどのリラクゼーションもおススメです。
自律神経を整えることに繋がることと思います。
スケッチやカメラなど日ごろから趣味をすることで、一息入れることも重要です。
(ただし5月病になってしまうと、趣味にうちこみにくくなるかもしれません。
なので、日ごろからの心がけが重要になってきます)
もし心身の不調が1か月以上続き、学校や会社に行けないほど症状が激しい場合などには、
症状が悪化している可能性もあります。
自己判断で「5月病だから大丈夫」などと思いこまず、症状が続くようでしたら、医師の受診などを求めてくださいね。
新たな環境で皆様が力を存分に発揮できますように。
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