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なおこ心理相談室BLOG 〜札幌近郊カウンセリングルーム〜

困った時の対処法@アスペルガー障がい

皆様、こんにちは。

札幌市近郊恵庭市の臨床心理士によるカウンセリングルーム「なおこ心理相談室」の足立直子です。

こちら恵庭は今日はお天気が悪いながらも、少し気温があがっています。
雪ではなく、雨が降っています。
今年初めて春コートを着ました。

さて、今回は、アスペルガー障がいのお子さんの困った時の対処法について考えてみたいと思います。
これは実は私の修士論文のテーマでした。
最初私はアスペルガー障がいのお子さんのパニックについて調べたかったのですが、
パニックに至るには、困った状態が前段階としてあるのでは?と指導教官から助言を受け、
それならばパニックを予防するために困った時の対処法を研究しようと思いなおしました。

 

まずは私が指導教官と考えだしたいくつかの場面について、どの場面が一番困るかを尋ね、
そしてそれをどうしたら予防できるかを一緒に考え、
その対処法を1カ月間、家庭で試してみてもらうことにしました。
その後、家庭で試してもらった結果を教えてもらいました。

 

※以下に紹介するお子さんについての情報は、お子さんが特定されないために加工してあります。

ある小学校高学年のお子さんは、勉強道具を忘れた時に、困った状態になると教えてくれました。
彼は教科書を忘れた時に、誰かにヘルプを出すことができずに、一生懸命頭の中で教科書を思い描いていました。
それはとても疲れるでしょう、と話し合い、どうしたらいいと思うかを一緒に考えました。
その結果、「お友達に一緒に見せてもらえるよう頼む」、「先生に忘れたことを伝える」という対処法が浮かんできました。
そしてそれを一カ月試してみてもらいました(その際、お母さんに一緒に一日を振り返ってもらいました)。
その後彼に感想を聞くと「正直に(忘れたことを)伝えることができて、気持ちがスッキリした」という感想をいただきました。
彼は、アスペルガー障がいの中でも、あまり社会的コミュニケーションの苦手さが表に出ないお子さんでした。
それでも知らないところでご苦労されていたのです。

 

またあるお子さんは、無くしものをしたときにパニックになりました。
このお子さんは嗄声があったので、困った状態になった時に、相手に伝わるようにヘルプを出すことができず、余計にパニックになったようでした。
このお子さんには、無くしものをしたときに、「〇〇を無くしちゃった。一緒に探してくれる?」と落ち着いて言う、ということを1カ月間試してもらいました。
これらの対処法は、当然のこと、わざわざ言わなくても分かること、と思われがちですが、あえてそれを意識することが大切なことなのです。
このお子さんも、意識して対処法を試すことで、少し落ち着いてヘルプを出すことができるようになりました。
お母さんからは、1カ月という試す期間も重要だった、と教えていただき、それ以上だとこだわりになってしまいそうだった、とのことで、とても勉強になりました。

困った時の対処法は、人それぞれです。
ですので、1対1でじっくり一緒に対応策を考えていくことが大事になります。
これはアスペルガー障がいをもつ方々のカウンセリングにおいても同様です。
自分にぴったりの対処法を、あえてそれを意識してすることで、困惑場面は打開できるものと思います。

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