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なおこ心理相談室BLOG 〜札幌近郊カウンセリングルーム〜

心理検査が役立つ時③

札幌市・恵庭市・千歳市・苫小牧市・北広島市・江別市の公認心理師/臨床心理士によるカウンセリングルーム「なおこ心理相談室」の足立直子です。

今日は心理検査が役立つ時として、心理検査のみに来られ、満足して新たな生活に向かった事例を皆様とみていきたいと思います。
(個人が特定されないように、加工されています。事例掲載はご本人の了承を得ております。)

40代半ばの彼女はWAIS-Ⅲとロールシャッハテストを受けたいと、病院を含むいくつかの機関に相談していました。
病院では医師が保険適応外だということで、WAIS-Ⅲは20000円料金がかかり、更に予約が埋まっており、検査を受けられるのは数か月後ということでした。
そこで当相談室にも問い合わせがあり、予約は数日後で可能、料金はWAIS-Ⅲは8000円(現在は10000円、フィードバック面接は無料です)ということで、当相談室で心理検査を受けることを決められました。

彼女は仕事において対人関係の中で、相手が怒っているとからかいたくなる衝動にかられ、そのように行動してしまい、余計に相手を怒らせてしまい、関係が悪くなることを繰り返していました。
仕事内容ではいい加減なことが苦手で、やるならとことんまでやるという姿勢がみられました。
またワーキングメモリーに不安がみられ、ケアレスミスや勘違いが多い、と実感しておられました。

子どもの頃は勉強はでき、動物が好きで、専門書を読み漁るような子どもでした。
一方縄跳びや鉄棒では苦労されたようです。
友達関係は、グループから浮いており、深く分かり合える友達が持てずに疎外感を感じていました。
高校の頃から上記の相手が怒っているとからかいたくなる衝動が現れ始めました。
意味のないことはしたくない、と思い、勉強からも遠のきました。
自尊心は低く、自己卑下するようになっていました。
大学では理系の学部に進みました。
研究は楽しかったのですが、ここでも教授とぶつかってしまい、そこで自尊心が折れ、無気力になり、半年留年しました。

就職し、上記のような対人関係があったために、一つの職場で勤めあげることが難しく、職場を転々としていました。

当相談室に予約を入れた当時も、上司を怒らせ、職場にいづらくなり、仕事を辞めた直後でした。

ロールシャッハテストを受けた後、感想を聞くと、彼女は「とても感動した!」と非常に心打たれた様子でした。
とても感動したので、自身のブログに書いてよいか聞かれ、感想なら書いても差し支えないこと、そして結果は個人情報なので載せない方がよいことをお伝えしました。
彼女としては、ロールシャッハテストで細やかに自分の見え方を確認し、共有したことが、気持ちを共感したことに繋がり、感動した、ということでした。

結果、彼女の中に相当な怒りの感情があることが窺われました。
その結果として上司を挑発するような行動に出ているのではないか、と思われました。
また内省しにくい性質をもっており、失敗しても振り返ることが出来ていない様子でした。
知的能力は、出来るところと苦手なところの間に有意差が見られましたが、どの項目も高いもので、知的には優秀なことが分かりました。
見て理解することは得意分野と思われ、やはりワーキングメモリーはご本人の中では低く示され、ケアレスミスの多さが示されました。

この様な結果で、もしかすると発達に偏りがあるかもしれない、と思われたため、専門の医療機関に心理検査結果をつけた紹介状をお作りし、お渡ししました。
彼女は深く納得し、それなので今まで能力はあっても対人関係でつまずいてきたんだ、と内省されました。

このように心理検査は今までの自分を客観的に見つめ、内省させてくれるというメリットがあります。
心理検査を受けて性格を大きく変えることは出来ませんが、内省することにより、新たな方略を見出し、環境に働きかけることが出来ます。

心理検査でクライエント様のお役に立つことが出来るように、日々研究を深めていきたいと思います。

ご予約

なおこ心理相談室
公認心理師/臨床心理士 足立直子

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