20Mar
皆様、こんにちは。
札幌市近郊恵庭市のカウンセリングルーム「なおこ心理相談室」の臨床心理士の足立直子です。
暖かい春の日差しにほっとする毎日を送っております。
インフルエンザも一段落でしょうか。
長く厳しい冬を乗り越え、春に向かい、気持ちがゆるゆるしています。
さて、私が学生時代、私の大学では、クライエント中心療法を理論的基盤としたカウンセリングやセラピーのトレーニングをしていました。
そのため、私は、クライエント中心療法の提唱者であるロジャーズの‘カウンセラーが備えるべき3原則’
(1.無条件の肯定的配慮、2.共感的理解、3.自己一致)
について必死に考えて、身につけるべく頑張っていました。
ロジャーズは、特にクライエントさんの「今、ここ」での体験や感情を重視しました。
そしてそのときの体験や感情を「あたかも自分のことのように」感じとり、その感情の明確化を試みました。
ここに共感的理解がかかわってきます。
そのようなことで、学生時代を通じて、私は‘「今、ここ」での体験’ということを考え続けていたように思います。
こうして私はクライエント中心療法を体得すべく、今も頑張っている途中です。
私が臨床心理士としてお仕事を始めたころ、認知行動療法の効果がうたわれはじめました。
その後、認知行動療法は、保険点数として計上できるようにもなり、今の時流にのっている技法になっています。
その認知行動療法から派生したマインドフルネスという技法があります。
驚くべきことに、そのマインドフルネスというのは、「今、ここ」の体験から生まれる感覚を大事にするのです!
「今、ここ」という感覚は、技法を超えて、重視されているのです!
さらに森田療法の‘あるがまま’という姿勢も、この‘今、ここ’との繋がりのある概念であるように思います。
具体的には、森田療法では、不安と闘いながら、次第に不安を受け入れ、自分の欲求を率直に発揮していく心の態度が形成されていきます。
マインドフルネスの体験は、‘不安をありのままに受け入れる体験’ともいわれています。
森田療法も認知行動療法(マインドフルネス)も、両方ともまさに‘今、ここ’の体験ですね!
このようにみると、日本独自の心理療法である森田療法とマインドフルネスの共通点が見つかり、
洋の東西を問わず、そこに通底するものがみつかるのだと感じました。
このように一見すると違うものでも、どこか通底するものがあると思うと、
自分と違う意見に対しても大らかに構えられるような気がしました。
皆様は、いかが思われたでしょうか。
※画像は「みさおとふくまる」から。
老人と猫の心安らぐ写真集です。
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