30Nov
皆様、こんにちは。
札幌市近郊恵庭市のカウンセリングルーム「なおこ心理相談室 」の臨床心理士、足立直子です。
今日の恵庭は曇り空です。
日一日と寒くなっておりますが、
皆様、体調はいかがでしょうか。
さて、前回はADHDについての概要についてお伝えしました。
今回は、いくつか例を上げてADHDのお子さんへの対応について考えてみようと思います。
(以前の記事の再掲載です)
例1)授業中じっとしていられない
これは、ADHDの多動性や衝動性が原因となって生じている現象です。
自分の行動をコントロールすることが苦手なADHDのお子さんは、
静かにしていないといけない場面で、動き回ってしまうことがあります。
しかし、これは意図的にやっていることではないので、
叱るだけでは、余計に叱られることが刺激になって平静でいられなくなり、
じっとしていられなくなる…という悪循環に陥ってしまうことがあります。
→(対応1)
「ほめることで、正しい行動を学習させて、忍耐力を伸ばす」
ここでのポイントは「タイミングよく褒める」ということです。
出来た時に、すかさず褒めてあげてください。
後から褒められるよりも、その場で褒めてあげた方が効果的です。
普段よりも少しでも良く出来たら、褒めてあげてください。
ただし、はさみなど危険な物を持ちだした場合や、お友達に手を上げるなど危険なことは、注意することが必要です。
→(対応2)
「周囲の環境をシンプルにする」
ADHDのお子さんは、周りに置いてある様々な物に注意が次々と移り、じっとしていられなくなることが多々あります。そのため、教室内や、お子さんの机の上をシンプルに片づけてあげると、じっとしていられることがあります。
家の中でも、大きなカゴに玩具を入れるようにして、床に玩具が散乱している…という状況を避けるだけで、多動性が和らぐことが多いです。
例2)家でも外でも怪我が絶えない
ADHDのお子さんは、多動性、衝動性に不注意が加わって、
危険な行動をしてしまうことがあります。
例えば道路への飛び出し、家具などへぶつかる、遊具から転落する…、などです。
→(対応)
「無理に制限させず、経験を通して少しずつ教えてあげる」
怪我が絶えなく、危険な行動を繰り返しているお子さんを見ると、
ついつい行動を制限したり、家の中で過ごさせたりしがちですが、
大人が一緒の時に少しずつ危険なことを教えてあげた方が効果的です。
「道路への飛び出し」などは、車道に出る時にはいったん立ち止まって信号を確認すること、
車がきていないことを確認すること…、など一つ一つ教えてあげましょう。
いっぺんには身に付かないと思いますが、日々の積み重ねで少しずつ出来るようになってきます。
例3)叱られると、暴れていやがったり、飛び出したりする
ADHDのお子さんの中には、
ADHDの特徴の衝動性に起因して、
叱られたりすると、暴れてしまったり、
その場を飛び出してしまったりすることがあります。
中には反抗挑戦性障がいが合併している場合もあります。
→(対応)
「感情的になって叱らずに、良いこと、悪いことを端的に伝える」
子どもが暴れたりすると、
大人もついつい感情的になって声を荒げてしまったりしますが、
大人が感情的になると、
ますますADHDのお子さんの衝動性が高まってしまい悪循環に陥ってしまいます。
そのため、叱る時には、大人は落ち着いた言動で、良いこと・悪いことを端的に伝えてあげましょう。
ここでのポイントは「落ち着いて」「端的に」ということです。
長い言葉でくどくどと話すと、ADHDのお子さんの場合、
注意集中を続けることが困難なため、分かりやすく短い言葉で教えてあげて下さい。
そして出来た時には、タイミング良く褒めてあげてください。
今回お伝えしたのは、ほんの一部ですので、
他にも日常生活の中で、困ることも色々と出てくると思います。
対応に困ったな…、と思ったら、担任の先生と相談したり、スクールカウンセラーがいる場合は相談してみることも良いと思います。
お子さんの対応には、家庭だけではなく、学校の協力も大切で、お子さんをとりまく環境を整えてあげることも大切です。
ADHDのお子さんの中には、その行動力の高さから大人になってから、素晴らしい能力を開花させる人もいます。
子ども時代は特に多動性が目立つので、保護者の皆さんはご苦労が多いかと思いますが、
日々の積み重ねで、お子さんの良いところを伸ばしてあげられれば嬉しいですね
私たち臨床心理士も、そのお手伝いが出来たら幸いです
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