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なおこ心理相談室BLOG 〜札幌近郊カウンセリングルーム〜

摂食障害について

皆様、こんばんは。

札幌市近郊恵庭市のカウンセリングルーム「なおこ心理相談室」の臨床心理士の足立直子です。

北海道は冬本番です。
でもここ数日は少し寒さが和らぎました。
ちょっと身体がほっとしています。

現代は女性のスタイルについて、「痩せていることが美しい」という意見が多いようです。
洋服もタイトなものが多いですね。
この傾向も‘ある程度’ならよいのですが、過度なダイエットは摂食障害を引き起こす危険があります。
今回はこの摂食障害についてみてみましょう。
※この記事は以前のものの再掲載です。

摂食障害には大きく分けて拒食症(神経性無食欲症)と過食症(神経性大食症)があります。

~拒食症(神経性無食欲症)~

拒食症は、「食欲を自分の意志で無理矢理おさえて食べない」状態です。

こころで身体の欲求をコントロールしようとしてしまいます。

それに成功すると達成感を感じ、自分に自信を持つようになります。

活動は、むしろ活発になっていきます。

そして、ますます、頑張ってやせようとします。

現在は痩せていることが美と思われる時代にあります。

「きれになりたい」「格好よくなりたい」という気持ちが高まる思春期・青年期では、

「私もダイエットしないと!」と思いに拍車がかかりやすいといえます。

また不安感(見捨てられ不安など)などの辛い心情がこの疾患の奥にあるといわれています。

ではダイエットをし過ぎると、どのような状態になるでしょうか。

<身体的な面>

・月経が止まる

・脈が遅くなる

・低体温

・低血圧

・骨や歯がもろくなる

・肝臓・腎臓などの臓器がダメージを受ける

・脳が委縮する場合もある

酷い場合には

・低血糖

・低カリウム血症

・低リン血症

など

<精神的な面>

自分が病気であるとの認識(病識)をもちにくいという特徴があります。

本人はダイエットが成功して、むしろ自信をもっています。

傍目には「痩せすぎ」と映っていても、本人は、自分はやせて、きれいになっている、と思い(ボディイメージの障害)、すすんで治療の場に出てこないという特徴があります。

一方でうつ症状がみられることがあり、そうすると、本人も辛く感じることでしょう。

自己愛性パーソナリティ障がいや境界性パーソナリティ障がいと合併することもあるので注意が必要です。

食事を食べているところを他人に見られたがらない場合も多く、

もっと体重を減らそうとして運動したり、過活動になることもあります。

ただただダイエットをするだけでなく、自分の指などを使って嘔吐することもあります(自己誘発性嘔吐)。

また下剤や利尿剤を使って体重を減らそうとすることもあります。

このようにしてまで、自分の身体をコントロールしようとする心性の背後には、

慢性的な不安や強迫的な性格傾向がうかがわれるケースもあります。

全てのケースではありませんが、身体が女性的・男性的になってくるこの時期に、この変化を受け入れられない「成熟拒否」の心性がうかがわれることもあります。

<家族はどうしたらよいか>

まずは医療機関で治療やカウンセリングを受けられるようにしましょう。

家族は家族会に入会するのも一つの手段です。

~お家では~

症状だけでなく、その奥にある気持ちを理解してあげましょう。

1)当面のストレス(学校・仕事・人間関係等)をとりのぞき、休ませましょう。
2)頭でわかっていても、できないことを認めましょう。

(拒食症は‘食べなければ’と思っても、食べられないという辛さを抱えています)
3)ゆっくり治すことを認めましょう。
4)家庭で本人がほっとできるようにしましょう。
5)本音で話し合い、本人との信頼関係を築きましょう。
6)甘えたい気持ちを無理せず受け止め、付きあってみましょう。
7)食事量が減った時は、頭ごなしにしかるのではなく、「何か心配事があるのか」と気遣いましょう。
8)現在、本人が困っている ことから工夫して解決していきましょう。

 

過食症(神経性大食症)

先程のような極端なダイエットは、慢性の飢餓状態を生み出します。

そして続いて過食がみられはじめます。

もともと痩せたいために、過食してしまった後には、嘔吐をしたり、下剤や利尿剤などを用いて過食を「なかったこと」にしようとします。

過食の後には、後悔や自尊心の低下が起こります。

このような過食は、見捨てられるような気持ちが高まったり、無力感や無価値観など否定的な感情が高まった時に起こりやすいといえます。

食べてもまた嘔吐したらいいという思考になり、過食嘔吐が繰り返されやすくなります。

拒食症も過食症も長期間の単位でみて、ゆっくり治す

家族も本人も、「自分とは…」「この家族は…」ということを深めて考えていく(批判ではなく、理解を)ことが大事になると思われます。

摂食障がいをもつ方々が治癒に向かい、

自分をゆったりと感じられますように。

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