29Dec
皆様、こんにちは。
札幌市近郊恵庭市の臨床心理士によるカウンセリングルーム「なおこ心理相談室」の足立直子です。
こちら恵庭は年末寒波の影響が叫ばれている中、穏やかな日和です。
これから雪が降るのでしょうか。
年末に田舎に帰られる皆様、どうぞお気を付けくださいね。
今日は「子どものこころの発達を支えるもの~アタッチメントと神経科学そして精神分析の出会うところ~」グレイアム・ミュージック(著)鵜飼奈津子(訳)の感想を中心に
皆様に紹介したいと思います。
さて、もう何年も昔のこと。
ある学会に参加し、製薬会社さんが主宰するランチョンセミナーに参加したことがありました。
とても立派なお弁当が出て、「製薬会社さんってお金持ちなんだなぁ!」と感動したことがあります(笑)
そのセミナーで、講師の方が
「ラットのレベルでは、乳幼児期に適切な養育がなされなかった場合でも、思春期に適切な養育を与えることによって、取り戻せることが判明した」
と説明しておられました。
私は学生時代に児童養護施設でプレイセラピーのトレーニングを受けていました。
その時に数名の被虐待のお子さんと出会ったのですが、
家庭の支えのない子どもたちの悲しみ・辛さをひしひしと感じました。
そして乳幼児期の養育の大切さを思い知った思い出がありました。
その経験から乳幼児期に適切な養育を受けることができないと、
その後の人生もグレーになるように思っていました。
そのため、この言葉は私には衝撃的で、未来が明るくなるように思われました。
もしかすると、子どもが乳幼児期に、ご自身が不安定で適切な養育を与えられなかった親御さんたちにも、朗報ではないか、と思いました。
「でもラットのレベルだしな…」
と心のどこかで思いながら、「これからヒトのレベルでも解明されるかもしれない」と希望をつなぎました。
そんな中で今回「子どものこころの発達を支えるもの」を読んで、
この希望は確かな希望であることを知り、嬉しく思いました。
「脳はより迅速に変化していく。特に重要なのは生後の数年間であるが、後の第10章で見るように、脳が大きく変化し
真の変化が可能な思春期も重要な時期である。学習、新しい経験、そしてそれらに付随する脳の変化は、私たちの人生の終末まで
ある程度は可能なのである」(子どものこころの発達をささえるもの)
この本では、このような立場から、里親さんの重要性を述べています。
生後の数年間は貴重な時期、この時期に経済的なサポートだけでなく、
お母さん、お父さんを支えるソーシャルサポートが日本でも充実してくれることを祈ります。
では、2018年も皆様にたくさんお世話になりました。
2019年も変わらずお付き合いいただけたら幸いです。
どうぞ良いお年をお迎えください。
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