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なおこ心理相談室BLOG 〜札幌近郊カウンセリングルーム〜

自分の指針は?

皆様、こんばんは。

札幌市近郊恵庭市の臨床心理士によるカウンセリングルーム「なおこ心理相談室」の足立直子です。

こちら恵庭は年末寒波はそんなにひどくなく過ごせました。
寒さが増したり、緩まったり、日によって過ごしやすさが違います。
皆様の地域はいかがでしたでしょうか。

さて、今回は「自分の指針は?」と題して、自分を支え、導く指針について考えてみたいと思います。

江戸時代中期に書かれた「養生訓」という書物があります。
貝原益軒が84歳の時に著した書物で、精神・肉体の衛生を保つため、生活するうえで心得ておくべきことを具体的に説いた書物です。
中国医書から学んだことと、自らの体験をベースに書かれたもので、広く大衆に読まれ、親しまれました。
今でも図書館に行ったら置いてあります。

私が養生訓に興味をもったのは、持病が分かってからでした。
病気が判明し、皆と同じペースで仕事ができなくなり、自分としても何を支えに生きていけばよいのか、迷っていた時期がありました。
まだこの相談室も立ち上げていなかったので、真っ暗な海に投げ出されたような気分でした。
そんな中で図書館で養生訓に出会いました。
パラパラとページをめくり、「健康な人は、教科書があって良いな」と思いました。
そこに書かれていたのは、健康が前提にあるように感じました。

少子高齢化が進み、老人の人口も増え、これからは養生訓がまさに生き方の指針になってくれるのではないでしょうか?
そして私のように健康を奪われた者にもこのような指針があるとよいな、と思います。
当時の私は「病者の生き方の教科書」なるものを探していたのです。
これは精神疾患についてもいえるのではないか、と思いいたりました。
最近、入浴中に精神科医の村田忠良先生の「老いの人間学」を読んでいます。
心に沁みる内容で、老いても‘なお’、そして‘より’充実して生きる指針を示してくれているようでした。
しかしもし精神疾患をもった人が、この内容を読んだらどう感じるだろうか、と思いました。
そこで思い出したのが北海道浦河町にある「べてるの家」の当事者研究です。
当事者研究では、一人ひとりが自分の体験をベースに、自分で考えた様々な症状への対処法を、皆に示してくれています。
どれもユニークな、そして頷ける対処法です。
もしかすると精神疾患をもちながら生活している方々にとっては、当事者研究の方が生きる指針になってくれるのではないか?
そんなことを思いました。

皆様に穏やかに新年を過ごされていることを祈って。

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